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「わかってる。…俺のことは、守らなくていい。守る対象に数えようなんざ、思い上がるなよ」
「え…？」
言葉とは裏腹に相変わらず優しく温かみを含んだ声に、思わずパチパチと瞬きを繰り返す。
意図が掴めず聞き返した俺の声があまりにも間が抜けていたからか、ふっと笑った気配がして、密着していたジンの身体がほんの少し離れた。
できた隙間から俺の顔をのぞき込んだジンが、自分じゃ気づいてないんだろうが、と前置きをして言葉を紡ぐ。
「今のてめぇは、守りたいものが増えすぎて、キャパオーバーも同然の状態なんだろう。スコッチとバーボンだけを守ればよかったはずが、宮野明美にシェリー、赤井秀一と世良母娘に工藤新一やらキッドやら、果ては今日問い詰めたキールに至るまで、守りたい存在が増えすぎた。一人の手に終える数じゃねぇ」
ストンと腑に落ちるような説明に、頷いて先を促す。ジンの言いたいことは、まだこれが全てでは無いはずだった。
先程よりも少しばかり目を細めた彼の唇がゆっくりと開かれていく様子を見つめながら、好きだなぁ、等と何の脈絡もない感想が頭を占拠していこうとするのを、理性でぐっと片隅に押し留める。
まず、話を聞かなければ。
「だというのに今、てめぇには守護(バック)がない。法も、警察も、正義も、須く敵だ。組織に入る以前の自分を護っていたものは、何一つとして味方してくれない。
にも関わらず、守るべきものばかり増えていく。いい加減、耐えきれなくなっても仕方のねぇ状況だろう。…それでもギリギリのところで堪えられているなら、別にそれでいい。だが、折れるくらいなら俺を利用しろ。てめぇのために都合のいい存在として俺を使え。守ってほしいなら守ってやるから、そう言え」
滅多にないほど丁寧に尽くされたジンの言葉は、俺自身さえ感知できていなかった心の機微を、柔らかく紐解いてくれているようだった。
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櫂渦【とーか】(プロフ) - チャパさん» 嬉しすぎるお言葉、ありがとうございます！！マイペース更新にも関わらず追いかけてくださっていること、本当に嬉しいです。これからもお気の向く限り、男主の人生にお付き合いいただけますと幸いです( * ･ᴗ･ ) (2023年2月26日 9時) (
レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
チャパ - 沢山の作品の中で作者様のジンが1番好きです。飽きやすいので見なくなる作品は多々あるのですが、ずっと飽きることなく読ませてもらってます。前々から思っていたのですがふと好きだなーという感情がわいてきたのでコメントさせていただきました。長々とすいません。 (2023年2月23日 21時) (レス) @page38 id: b567095a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫂渦【とーか】
| 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/28997649
作成日時：2022年6月19日 21時
