934. 愛して。 ページ35
[-A’s side-]
「ただいま」
キールとの任務を無事に終え、拠点へ自分の車を取りに戻るついでにラムに上げる手筈となっていた今回の任務に関する報告作業も済ませ、間もなく空も白み始めようかという時刻になってようやく帰宅することのできた我が家。
ジンのことだからまだ起きているかもしれないと思っていたが、帰宅した俺の言葉に応える声はなかった。廊下やリビングの電気も消されているから、もう寝てしまったのだろうか。
それならそれで、特に急ぎの用事があるわけではないから問題はない。
だが、ジンには昼間大きな怪我を負わせてしまった。熱を出したりしている可能性もあるから、念の為に様子だけは確認しておこう。
流石にあの傷で風呂に入ることはしていないだろうから、起きているようなら軽く身体を拭うくらいのことはしたいし、拠点で医者から押し付けられた薬を塗ったり、包帯を取り換えたりもしたい。
そんなことを考えながら寝室の前に立った俺は、少しだけ悩んだ末にノックや声掛けはしないことを選んで、静かに扉を開けた。
境界の向こう側に広がる暗闇に、やはり声をかけなくてよかったと思いながら足を踏み込んだ俺の考えを裏切るかのように、何故かベッドの上でジンの動く気配がする。
「…ジン？悪い、起こしたか」
「おかえり。いや、元から目は覚めてたぜ。起きるのが面倒で転がってただけだから、気にする事はねぇよ」
「そっか。ならよかった、ただいま。薬とか預かってきたからちょっと傷見たいんだけど電気つけていいか」
「ああ。…薬？」
明るくなった部屋の中、ゆっくりと身体を起こしながら呟いたジンに、頷いて応える。
「任務の報告もあったから拠点に寄ってきたんだけど、医務室の前を通ったら呼び止められて、いろいろ渡された」
言いながら、消毒やらガーゼやら包帯やらテープやらを取り出してはベッドサイドのテーブルに次々と並べていけば、ジンが呆れたように溜息を吐いた。
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櫂渦【とーか】(プロフ) - チャパさん» 嬉しすぎるお言葉、ありがとうございます！！マイペース更新にも関わらず追いかけてくださっていること、本当に嬉しいです。これからもお気の向く限り、男主の人生にお付き合いいただけますと幸いです( * ･ᴗ･ ) (2023年2月26日 9時) (
レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
チャパ - 沢山の作品の中で作者様のジンが1番好きです。飽きやすいので見なくなる作品は多々あるのですが、ずっと飽きることなく読ませてもらってます。前々から思っていたのですがふと好きだなーという感情がわいてきたのでコメントさせていただきました。長々とすいません。 (2023年2月23日 21時) (レス) @page38 id: b567095a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫂渦【とーか】
| 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/28997649
作成日時：2022年6月19日 21時
