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「お二人は今回のパーティーに関連して、何か事前に不審な噂など耳にされていたのではございませんか。例えばそう、予告状…とか」
「っ、まさか──いえ、でもそれに関してはご依頼主様が…」
予告状という言葉を耳にした途端、明らかに焦ったような様子を見せ始めた警備員。主催者が関係者に箝口令を敷いたはずの予告状だったが、当のキッドから宝石を守るために雇われた警備員ならば流石に真実を聞いているだろうとの予想は正解だったらしい。
まぁ、聞いていなかったとしてもこちらから聞かせるまでのことだから、彼らを驚かせるのは比較的簡単な事だった。
動揺している人間は、往々にして冷静な判断力を失う。外部の者が知るはずの無い情報をチラつかされて慌てる二人の注意は今や完全に俺の方のみへと向けられ、キッドの方からは完全に視線を外してくれていた。
恐らく、彼はもう間もなく解錠作業を完了させるはずだ。長くても、あと数秒の内には間違いなく。
「実は昨日警察に匿名での情報提供がありまして。その内容が今回の事件と関連している可能性があるので今からご確認いただきたいのですが、」
よろしいですか。と続くはずだった俺の言葉は、突然落とされた照明によって強制的に中断させられた。
きゃあ、と響く軽い驚きの悲鳴と、さざ波のように会場内を広がるざわめき。暗闇というものは、嫌でも人間の恐怖心を煽るものだから、無理もない。
だが人々がパニックを起こすよりも早く、真っ暗闇の中でパチンと指を鳴らした音が響くと同時に、一筋の強い光が、ステージの上に立つ白い人影を映し出した。
その正体が誰かなど、顔を確認するまでもない。
怪盗キッドの登場だ。
「Ladies and gentleman───」
お決まりの口上を述べるキッドは、会場内にいる人間の視線をすべて欲しいままにしていた。それは警備員たちとて例外ではなく、俺の隣でしばらくは呆気にとられたように舞台上を見つめていたかと思うと、キッドの手に黒い宝石があることに気付いて弾かれたようにそちらへと駆けて行ってしまった。
お陰で、今や脱出を阻む者はどこにもない。
心中でそっとキッドに礼を述べた俺は、一人静かに会場の喧騒に背を向けた。
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櫂渦【とーか】(プロフ) - チャパさん» 嬉しすぎるお言葉、ありがとうございます！！マイペース更新にも関わらず追いかけてくださっていること、本当に嬉しいです。これからもお気の向く限り、男主の人生にお付き合いいただけますと幸いです( * ･ᴗ･ ) (2023年2月26日 9時) (
レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
チャパ - 沢山の作品の中で作者様のジンが1番好きです。飽きやすいので見なくなる作品は多々あるのですが、ずっと飽きることなく読ませてもらってます。前々から思っていたのですがふと好きだなーという感情がわいてきたのでコメントさせていただきました。長々とすいません。 (2023年2月23日 21時) (レス) @page38 id: b567095a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫂渦【とーか】
| 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/28997649
作成日時：2022年6月19日 21時
