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「それで？勿体ぶってないで教えてちょうだい。NOCは誰なの」
「本堂瑛美───かつてあなたが始末したCIAからの潜入捜査官、イーサン・本堂の娘です。水無怜奈という偽名を名乗り、組織からはキールというコードネームを与えられている」
迷いなく、真っ直ぐこちらを射抜くAの目に、思わず拳銃に伸ばしかけた手を理性で必死に抑えつけた。まだ、逸ってはいけない。
「ハァ…、あなたにしては随分とつまらない冗談ね。A、いい加減ふざけていないで本当の情報を教えて」
「本当の情報ですよ。俺とキッドのことに関して口を噤んでくださるのであれば特に誰かに告げ口をするつもりもありませんから、知らないふりは結構です。交渉をしましょう、キール。非建設的な嘘をつくのは時間の無駄ですよ」
「知らないふりじゃないわ、真実 “知らない” のよ」
いつまでもNOCであるとは認めようとしない私に、焦れたのかAが息を吐く。
「では、仮にあなたが本堂瑛美ではないとして…それでも俺があなたはNOCだと主張をすれば、ジンはそれを信じるでしょう。俺のご主人様は疑わしきを罰する人ですし、これまでの実績がある分、あのお方からの信頼も厚い。組織におけるあなたの立場が危ういものになることは、想像だに難くない」
「つまり、それが嫌ならキッドとあなたの関係については口を噤めと言うの？悪いけど、お断りよ。そんなことをすれば、いつかあなたが裏切ったときには私が取引に応じたことを理由にNOCの疑いをかけられるに決まってるもの」
危険な賭けであるとはわかっていたが、あくまで毅然とした態度でAからの提案を装った脅しを突っぱねる。
しかし、どうやらこれは悪手だったらしい。一度目を閉じ、そして開いたAには、先ほどまであったはずの彼らしい柔らかな雰囲気はどこにも見当たらなかった。
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櫂渦【とーか】(プロフ) - チャパさん» 嬉しすぎるお言葉、ありがとうございます！！マイペース更新にも関わらず追いかけてくださっていること、本当に嬉しいです。これからもお気の向く限り、男主の人生にお付き合いいただけますと幸いです( * ･ᴗ･ ) (2023年2月26日 9時) (
レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
チャパ - 沢山の作品の中で作者様のジンが1番好きです。飽きやすいので見なくなる作品は多々あるのですが、ずっと飽きることなく読ませてもらってます。前々から思っていたのですがふと好きだなーという感情がわいてきたのでコメントさせていただきました。長々とすいません。 (2023年2月23日 21時) (レス) @page38 id: b567095a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫂渦【とーか】
| 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/28997649
作成日時：2022年6月19日 21時
