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これから俺がキールと話す内容を聞かせることで、ジンにはまた一つ、秘密という名の重荷を共有させてしまうことになるのは間違いない。でも、それが今更なんだと言うのか。
俺はもう、とうに覚悟を決めたのだ。組織において絶対的なポジションを築いていたジンの足を引っ張り、裏切りへ巻き込む覚悟を。そして、地獄まででも引きずり込んで、彼と共に堕ち行く覚悟を。
冷たい銀のプレートが鎖骨に触れる独特の感覚に、満足して俺は息を吐く。これから行うキールとの交渉は、下手をすれば俺の命を危険に晒すに違いない。
でも、この首輪がある限りはジンが最後の砦となってくれる。万が一の時の抑止力に、なってくれるはずだ。
今頃はきっとウォッカの手を借りて帰宅を済ませているのだろうジンのことを思いながら、俺は静かに助手席のドアを開けた。
「お待たせいたしました、キール」
「どういたしまして。それじゃあ、出発するわよ」
キールの手によって滑らかに走り出した車の低いモーター音を聞きながら、俺は交渉の口火を切った。キッドを組織の道具として巻き込むことをするつもりがない以上、現時点で立場が弱いのはこちらだ。
だが、交渉の余地があることはわかりきっていたから、一刻を争う事態というわけでもない。焦る気持ちはなかった。
「…早速ですが、あなたの望みを聞かせていただけますか」
「望み？何のことかしら。私はただ、組織のためにキッドという有能な駒を見つけてきたあなたの手腕に、素直に感心しているだけよ」
惚けた顔で首を傾げたキール。あくまでも、組織のためというスタンスを崩すつもりはないらしい。キッドのことを黙っていてほしいなら、交渉の対価は自分で考えて差し出せということだろう。
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櫂渦【とーか】(プロフ) - チャパさん» 嬉しすぎるお言葉、ありがとうございます！！マイペース更新にも関わらず追いかけてくださっていること、本当に嬉しいです。これからもお気の向く限り、男主の人生にお付き合いいただけますと幸いです( * ･ᴗ･ ) (2023年2月26日 9時) (
レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
チャパ - 沢山の作品の中で作者様のジンが1番好きです。飽きやすいので見なくなる作品は多々あるのですが、ずっと飽きることなく読ませてもらってます。前々から思っていたのですがふと好きだなーという感情がわいてきたのでコメントさせていただきました。長々とすいません。 (2023年2月23日 21時) (レス) @page38 id: b567095a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫂渦【とーか】
| 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/28997649
作成日時：2022年6月19日 21時
