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「ああ。その時点ですでにてめぇのバックについては完全に塗り潰してあったから、俺に妄信する子飼いの忠犬という体で適当に目は眩ませたがな」
「そっか、確かに俺の場合も明確な動機とかメリットとか主張することは忘れてたな。案外、NOCを炙り出すためには有効なやり方なのかも」
「まぁ、てめぇが手を組む価値があると判断した以上は、致命的なミスでもしねぇ限りキールへの追及は程々にしておいてやる。また具体的な行動が必要になったら指示しろ」
「ん、頼りにしてる」
満足げに頷いたAは、目を閉じてその後しばらく頭を撫でる俺の手を受け入れていたが、やがて思いついたようにパチリと目を開くと、微妙に舌っ足らずな口調で「おなかすいた」と呟き、ゆっくりと立ち上がった。
「ジンも、就寝前の薬を飲む前に軽く食べたほうがいいだろ。消化しやすいもののほうがいいだろうから…簡単に、雑炊でいいか？」
「ああ、任せた」
「ん、じゃあできたら持ってくるから、そのまま横になって休んでてくれ」
そっと肩を押されてベッドにもたれこんだ俺に、布団をかぶせたA。
そのままキッチンへ向かうかと思いきや、一瞬迷う素振りを見せた後に身をかがめ、額に触れるだけのキスを落とした。
「守ってくれてありがとな、ジン。元気になったら、めいっぱい愛してくれ」
言うや否や、朱に染まった顔を隠すようにAはこちらに背を向けて部屋を出て行った。
残された部屋の中で一人、盛大に吐き出した溜息と舌打ちは、果たしてAに届いたのかどうか。
かけられた布団に隠されていてよかった、とは死んでも口にはしねぇが、治ったら絶対に嫌と言うまで愛してやろうと密かに誓ったのを最後に、俺は本日何度目かの微睡の淵へと沈んでいった。
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櫂渦【とーか】(プロフ) - チャパさん» 嬉しすぎるお言葉、ありがとうございます！！マイペース更新にも関わらず追いかけてくださっていること、本当に嬉しいです。これからもお気の向く限り、男主の人生にお付き合いいただけますと幸いです( * ･ᴗ･ ) (2023年2月26日 9時) (
レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
チャパ - 沢山の作品の中で作者様のジンが1番好きです。飽きやすいので見なくなる作品は多々あるのですが、ずっと飽きることなく読ませてもらってます。前々から思っていたのですがふと好きだなーという感情がわいてきたのでコメントさせていただきました。長々とすいません。 (2023年2月23日 21時) (レス) @page38 id: b567095a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫂渦【とーか】
| 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/28997649
作成日時：2022年6月19日 21時
