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「ん……」
ゆっくりと目を開く
目を開け、すぐさま目に映った風景にあたしは言葉を失った
「なに、これ…」
先ほどまで人がﾜｲﾜｲと楽しんでいたデパートでなく
瓦礫と化した、エレベーター入り口、泣く人々、血を流している人々
そして、その全員が腕を後ろにしばられている
もちろん、あたしも
いきなりのことに呆然としている中
自由に動き回る大男があたしの目の前まで歩み迫っていた
「やっと起きたかい、嬢ちゃん」
「っ、アンタたち、誰っ」
「はは、そんなに怒るなよぉ、かわいい顔が台無しじゃねぇか」
ﾆﾀﾆﾀと笑うその顔で、あたしはさっきのことをしっかりと思い出した
そうだ、あたし、いきなり腹を殴られたんだ
その痛みに気を失って…
「アンタは顔が可愛かったからなぁ、ここまで連れてきたんだぜ。
自分の容姿と俺たちの優しさに感謝しろよ?」
「ﾊｯ、なんでアンタなんかに感謝しなくちゃいけないのよｯ」
人質にされて感謝するバカがどこにいるっていうわけ
こいつ、バカなんじゃないの!?
「おいおい、嬢ちゃんの立っていた位置は瓦礫まみれなんだぜ?
そこにそのまま立っていたら死んじまう所だったんだぜ」
「死ぬ…?」
「ああ、死ぬところだったんだぜ、嬢ちゃん」
汚い笑いをやめない大男にｲﾗｲﾗと隠せず
あたしは、後ろに縛られた拳を力強く握りしめ、叫んだ
「ふざけんなｯ!!
アンタらに人を殺す権利がどこにあんだよ!!
今すぐに、ここにいる人達を解放しろよ!!
さっさと、消えやがれ!!このくそ野郎!!」
ﾊｧﾊｧと肩で息をしながらあたしは大男を睨み続けた
大男は顔をしかめ、あたしを睨み、肩を力強くつかんだ
「っ!」
「生かしてやったっていうのにこの、餓鬼がｯ!!殺されて―のか!!」
大男はそう叫んで、肩から手を放した
そして、すぐにあたしの腹には、再び鋭い痛みが走った
痛みと共にきた衝撃に耐えきれず、あたしは後ろへと吹き飛ばされた
ﾄﾞﾝｯ!!とこの階に大きく、壁にあたった音が響いた
一瞬、とまった息は、一気に出てきて
咳の苦しさとお腹と背中の鋭く鈍い痛みがあたしの体中を襲う
「調子にのんじゃねぇ、餓鬼が」
「ｯ…」
大男はあたしを見下ろすと、仲間のもとへと戻っていく
静かになるその場に、あたしを隠すように、誰かがゆっくりと動いた
赤いジャージのその人は、ﾃﾛﾘｽﾄに聞こえないように小さな声でこう問いかけてくれた
「……大丈夫か?」
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ミズヤ(プロフ) - どうも、この話読んでて楽しいです。あの成り代わり少女のこうしんがめっちゃ楽しみなので1話でもいいので待ってます (2014年6月19日 19時) (
レス) id: 41bc7bd8e1 (このIDを非表示/違反報告)
時雨▽・x・▽(プロフ) - めっちゃ気に入りました！！面白いです！これからも頑張って下さい！ (2014年5月3日 18時) (レス) id: 1fc7b9a6fe (このIDを非表示/違反報告)
響乃(プロフ) - めっちゃ面白いです！シンタローLOVEなので、出てきて嬉しいです！シンタローの出番沢山ください！((別に、嫌なら構いませんが…… (2014年4月30日 22時) (レス) id: 8f4edc383a (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 面白いです！！！メカクシ団の一員になった感じ！すごく楽しめます！ (2014年4月28日 22時) (レス) id: e105d43e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：〜天女（てんにょ） | 作成日時：2014年4月1日 22時
