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伊吹アテンション ページ3

「あっつい」

ミンミンと蝉の鳴き声が夏だと思い知らせる
あたしは、机に突っ伏しながら暑さに耐える

あぁ、背中もビショビショ
早く、かえってシャワーが浴びたい


「おーい、伊吹、お前、如月から連絡もらったか?」
「…携帯確認します」


楯山先生のけだるそうな声にけだらく答える
オレンジ色のスマートフォンを目にうつし、親友のモモからの連絡が来ているかみる

だが、連絡はきてないようで

また、あの子、人をひきつけちゃったのかなぁ
……心配だな


「先生、きてないです」
「あーそうか」
「それより、先生ッ」


楯山先生は「あー?」とめんどくさそうに首をかしげる
先生の額からも汗はダラダラと流れていて


「なんで教室なのにクーラーがついてないんですか!」
「あー、壊れちまってよぉ」
「ありえないです!こんな暑い中、勉強しろと!?」

「俺だって帰りてぇーよ、なんでお前と如月の為に俺が学校なんかに…」
「学校なんかって、あんた一応、教師だよね!?」
「先生に向かってアンタとはなんだ!」


ガタンガタンと机を揺らしながら言い合いをするあたし達
周りからみればとても、滑稽でバカらしいだろう

でも、こんな暑い夏にクーラーのない教室なんて地獄だ
あたしには耐えきれない!


「あたし、帰りたいです!」
「俺も帰りたい!」
「じゃあ、帰ってもいいですか!?」
「帰ろうぜ!」


これが生徒と先生の会話といえるだろうか
楯山先生は親指をグッとつきたてニンマリと笑った

このノリのいい具合が先生のいいところ
人間として、いち教師としてはTHE・ダメ人間だけど


「じゃあ、あたし帰りますね」
「おー、気をつけろよ、如月には俺から伝えておく。
お盆休みだし、誰かの墓参りにでに行って来い」


ヒラヒラと手をふる楯山先生を目の端に映した後、再びスマフォを見た

ニュース欄にはNEWと書かれている記事があって、そこを押すなり
あたしは家という目的地という場所をかえた



「モモ、どこにいったんだろう」


モモどこかに隠れてるかも
1人じゃ動けない状況かもしれないし、迎えにいってあげよう

ニュースになっていたムービーには商店街だった
あたしはそこへ向かうために、ジリジリとやけるアスファルトを力強くけった



……お風呂はもう少し我慢かなぁ
 
 

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ミズヤ(プロフ) - どうも、この話読んでて楽しいです。あの成り代わり少女のこうしんがめっちゃ楽しみなので1話でもいいので待ってます (2014年6月19日 19時) (レス) id: 41bc7bd8e1 (このIDを非表示/違反報告)
時雨▽・x・▽(プロフ) - めっちゃ気に入りました!!面白いです!これからも頑張って下さい! (2014年5月3日 18時) (レス) id: 1fc7b9a6fe (このIDを非表示/違反報告)
響乃(プロフ) - めっちゃ面白いです!シンタローLOVEなので、出てきて嬉しいです!シンタローの出番沢山ください!((別に、嫌なら構いませんが…… (2014年4月30日 22時) (レス) id: 8f4edc383a (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 面白いです!!!メカクシ団の一員になった感じ!すごく楽しめます! (2014年4月28日 22時) (レス) id: e105d43e6e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:〜天女(てんにょ) | 作成日時:2014年4月1日 22時

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