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事後報告 ページ48

あのあと、私は死柄木さんと合流してアジトに戻った。


死柄木さんには「遅い」と叱られてしまったが、話すつもりはない。


ちなみに、あの銀髪の人が言っていたことはほとんど事実で、トガちゃんに触れることはなかった。


唯一、部屋に運び込むときだけ抱えていたけれど。


しかし、何もしていなかった、というわけでもない。


彼はトガちゃんをさらってから3日間の間。


トガちゃんが眠るときにはいつも悪夢を見せ、うなされる様子を見て楽しんでいた。


悪趣味で、本当に気持ち悪い。


そんな男と一緒にいたんだ、トガちゃんの苦労は計り知れないと考えた私は急いでいた。


そして、私たちがアジトに入るとトガちゃんが予想通り抱き着いてきたんだ。


「Aちゃん......」


弱々しく私の名前を呟くと、そのまま眠ってしまった。


今まで、散々悪夢を見させられてトラウマになってしまい、あまり眠れなかったんだろう。


私の服をぎゅっとつかんでいるトガちゃんを見ていると、


「もっと懲らしめるべきだった」と思わざるを得ない。


そして私たちはそのままアジトのベッドで、二人一緒に眠った。


私の夢は、トガちゃんと楽しく料理をする素敵な夢でした。







Aたちが眠った後、死柄木弔はアジトに残り続けていた。


トガとAを二人だけで残すのは危険だと、コンプレスに言われたからだ。


ちなみに彼は仕事があるので、もうここにはいない。


「まさかアイツがここまで有能な人材になっているとはな」


誰もいない空間で、死柄木はぽつりとそうこぼした。


アイツ、とはAのことだ。


何も報告されていなくても、彼の眼には彼女が行ったことはすべて見えていた。


だからこそ、成長が強く感じられる。


トガの為だったから、なのかもしれないけれど。


死柄木は顔につけていた手をそっと外してテーブルの上に乗せた。


その顔には、微笑が浮かんでいる。


上司が部下の成長を喜ぶような。兄が妹の進歩を喜ぶような。


そんな表情を隠そうともせず、トガとAが眠っている部屋に入る。


そして、Aの頭を“個性”が発動しないようになでた。


「無茶はするなよ」


静かな部屋に、その一言が響いた。

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鈴蘭(プロフ) - ゆいなさん» コメントありがとうございます!トガちゃんが大好きな方にそう言ってもらえて光栄です! (2020年8月21日 21時) (レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - トガちゃん大好きなので最高です!、 (2020年8月15日 23時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - 月雪桜@歌い手好きさん» コメントありがとうございます!トガちゃんの魅力が伝わっていて安心しました。次回作、何を作るかはわかりませんが読んでくださると嬉しいです! (2018年11月20日 22時) (レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
月雪桜@歌い手好き(プロフ) - とてもトガちゃんの魅力が表にでていて(ヤンデレ的な意味も含めて)とても良い作品だと思いました!完結おめでとうございます!とても面白かったです。次回作も期待しております! (2018年11月20日 22時) (レス) id: ada51b0201 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年9月19日 23時

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