【ヒロアカ】今日もトガちゃんと【トガヒミコ】

ベタベタ...？　１９日目 ページ44

ふふふふ...


トガちゃんがそんな風に笑いながら私の方を見つめてくる。


そんな顔して、どうしたの？


私が尋ねても、トガちゃんは何も反応しない。


あれ？トガちゃん、どうしたの？


ゆっくりと近付いてみるけれど、トガちゃんの反応はない。


おかしい、おかしいよ。


何も反応しないだけじゃなく、表情も変わらないなんて。


「ねえ、トガちゃん」


そう言って肩に触れると、私の方に倒れてきた。


いつもみたいに抱きついてくるんじゃなくて、パタッと倒れるドミノのように。


そして、私は気がついた。


体重が、ない。


肌に触れるトガちゃんの腕は、柔らかいものじゃなく、木っぽい感じ。


何、これ......


そして私はトガちゃんの後ろから伸びるワイヤーを見つけた。


それは上に続いていて...


ゆっくりと視線をあげると、そこだけ穴が開いていた。


穴の中にワイヤーは吸い込まれている。


クイッと引っ張ってみると、手応えがあった。


穴の中で何かが動き、二つの光る目がこちらを見つめていて.........


「彼女はもう、君のじゃない」


見えないはずなのに、そういわれた気がした。






そこではっと目が覚める。


今のは、夢なのかな？


だとしたら、とんでもない悪夢だ。


トガちゃんの偽物が誰かに操られ、しかも誰かもわからない人に「君のじゃない」と言われて。


そっと背中に手を当てると、少し汗をかいていた。


私は起き上がると、トガちゃんの部屋に入る。


そこにトガちゃんの姿はない。


リビングに行くけれど、そこにもトガちゃんの姿はない。


トガちゃんがいない、この家の中には。


嫌な予感がして、私はトガちゃんの携帯電話にかけてみる。


いつもなら、３コール以内に出てくれるはずなのに、全然出てくれない。


ピッという音がして、繋がったと思ったら


「この電話は電波の届かないところにあるか＿＿」無機質なメッセージが流れるだけだった。


もしかしたら、アジトに居て驚かせようとしているのかも。


そう思って死柄木さんに電話してみても「来てない」といわれた。


ああ、トガちゃん、貴女はどこにいるの...？


やだ。


ゆっくりと嫌な汗が背中を伝う。そして、夢を思い出した。


まさか、まさか、まさか、嘘だよね。


その時、私の家のインターホンがなった。


もしかして、トガちゃん？


そう思って勢いよく扉を開けると、箱がおかれていた。


指輪を入れるくらいの小さな箱。


拾い上げて、ふたを開けると中には１枚の紙が入っていた。


そこに書かれていたのは...


【彼女はもう、君のじゃない】

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