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ベタベタ 5日目 ページ5

トガちゃんが、死柄木さんの命令で『八斎會』に行くことになった。


そして、移動する前日。


トガちゃんはいつにも増して、私に引っ付いてきた。


しばらく会えなくなるから、寂しいのだろう。


「なんでAちゃんは一緒じゃないの?」


私に抱きつきながら、死柄木さんにそんなことを聞き始める。


そんなに私と一緒にいたいのか、この子は。


「Aはダメだ あっちにはやれない

 お前らだから任せてるんだ、文句を言うな」


死柄木さんはカップの中身を飲みながらそう言った。


トガちゃんは「お前らだから」と言われたときに、ピクッとしてたから嬉しいんだろう。


信頼されている、そうわかるから。


それでも、まだ私から離れようとはしない。


「何日も会えないなんて、嫌」


トガちゃんはそう溢した。


八斎會に不安があるから私にくっついていると思っていたけれど、


私に会えないのが嫌らしい。


...かわいいこと言ってくれるなあ。


「私も、トガちゃんと何日も会えないのは嫌だ

 でも仕方ないよ 死柄木さんの命令なら、ね?」


トガちゃんの前髪を掬いながら私はそう言った。


トガちゃんの金色のような黄色の瞳が揺れる。


「Aちゃあああん」


ギュッとトガちゃんに抱きつかれた。


そのまま肩口に頭をグリグリとさせるから、お団子から飛び出た髪が頬に当たってくすぐったい。


でも、振り払う気にはなれなかった。


だから、そのまま私もトガちゃんに抱きつく。


しばらく会えなくなるんだから、充電だ。これくらいならしても大丈夫だろう。


私も、トガちゃんに会えない日は寂しいのだから。




そして翌日


トガちゃんは「行ってきます」と言ってトゥワイスさんと行ってしまった。


トゥワイスさんは「任せとけ! もう無理だ」と言ってからトガちゃんと歩いていく。


はあ、私もできることなら行きたかった。


そんな顔をしていると、後ろから頭を軽くはたかれる。


死柄木さんだ。


そんな顔するな、と遠回しに言ってくれたのだろう。


死柄木さんの優しさに感謝して、私は今のアジトの中に戻る。


トガちゃんが帰ってくるまで、頑張ろう。


そっと心に誓って、私は死柄木さんとミスターと一緒に大富豪をやる。


何かをやっていないと、トガちゃんのことを考えちゃうから。


こういうところで気を使ってくれる二人は、やっぱり大人なんだな、そう思った。

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鈴蘭(プロフ) - ゆいなさん» コメントありがとうございます!トガちゃんが大好きな方にそう言ってもらえて光栄です! (2020年8月21日 21時) (レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - トガちゃん大好きなので最高です!、 (2020年8月15日 23時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - 月雪桜@歌い手好きさん» コメントありがとうございます!トガちゃんの魅力が伝わっていて安心しました。次回作、何を作るかはわかりませんが読んでくださると嬉しいです! (2018年11月20日 22時) (レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
月雪桜@歌い手好き(プロフ) - とてもトガちゃんの魅力が表にでていて(ヤンデレ的な意味も含めて)とても良い作品だと思いました!完結おめでとうございます!とても面白かったです。次回作も期待しております! (2018年11月20日 22時) (レス) id: ada51b0201 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年9月19日 23時

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