ベタベタ 8日目 ページ28
ある夜のこと
私は家に帰るために夜道を歩いていた、そんな時。
コツコツコツ
後ろから等間隔で足音が聞こえてきた。
私が足を速めると、後ろから聞こえてくる音も速くなる。
振り返りたい、けれど戦闘能力のない私は、目があったら終わりだろう。
作戦を考えないと。
私が後ろの人をどういう風に撒こうか考えていると、後ろの足音が速くなった。
え、私、殺される?
身構えたその時、背中にいつもの重さが加わった。
この感じは、一人しかいない。
「トガ...ちゃん?」
「はい!!Aちゃんっぽい人だなって思ってつけてたらAちゃんだったから走ってきた!」
念のために肩口から後ろを見ると、そこにはかわいいトガちゃんがいた。
変な人に殺されるかと思っていたから、安心する。
いつものトガちゃん。さっきまで一緒にいたトガちゃんだ。
「あれ?そういえばトガちゃん家ってこっちだったけ?」
私が記憶する限り、トガちゃんの家はこっちじゃなかったはず。
私がトガちゃんのことで記憶していないことなんて無いはずなのに。
「いいえ!でも、最近お隣にうるさい人が来たから引っ越そうと思って!
Aちゃんの家の近くにいいお部屋がないかなと探してるの!!」
そういうことなら納得だ。
私の家の近くに空き部屋、あったかなあ?
いや、無かったような。
「トガちゃん、私のとこに引っ越してこない?」
気がつけば私はそんな提案をしていた。
私の部屋はけっこう広い。
トガちゃんが来ても余裕がある。
トガちゃんは私の提案に驚いたようだけど、パァッと瞳を輝かせた。
いいの!と言いながら私の隣に並ぶ。
これでやっと歩けるな。なんて思いながら、私はトガちゃんの言葉に頷いた。
トガちゃんが一緒なのは嬉しい。
もちろん、なんでもかんでも一緒、そういうのはよくないかもしれないけれど。
その後、私はトガちゃんに家に送ってもらい、別れた。
本当は泊めてあげたかったんだけれど、トガちゃんが死柄木さんに頼まれて埼玉まで行くから、
泊めてもらっている暇は無いらしい。
「家の件、考えてくれていいからね?
それじゃあ頑張って!」
そう言って送り出すと、ありがとう!!と言い、大きく手を振りながら歩いていった。
その数日後
私の家にトガちゃんが来た。
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鈴蘭(プロフ) - ゆいなさん» コメントありがとうございます!トガちゃんが大好きな方にそう言ってもらえて光栄です! (2020年8月21日 21時) (レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - トガちゃん大好きなので最高です!、 (2020年8月15日 23時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - 月雪桜@歌い手好きさん» コメントありがとうございます!トガちゃんの魅力が伝わっていて安心しました。次回作、何を作るかはわかりませんが読んでくださると嬉しいです! (2018年11月20日 22時) (レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
月雪桜@歌い手好き(プロフ) - とてもトガちゃんの魅力が表にでていて(ヤンデレ的な意味も含めて)とても良い作品だと思いました!完結おめでとうございます!とても面白かったです。次回作も期待しております! (2018年11月20日 22時) (レス) id: ada51b0201 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年9月19日 23時