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情報調査の旅 有馬温泉 ページ18

観光をして回ったあと、トガちゃんの案内で旅館へ向かう。


そこには、『旅館 なでしこ』とかかれていた。


全体的に“和”な感じの旅館だ。


「Aちゃん、こういうの好きでしょう?」


私の顔を覗き込みながら訊いてきた。


トガちゃんには、やっぱりお見通しだったようだ。


私は素直にコクりと頷いた。


「仁くんにいくつか教えてもらって、私がここを選んだの」


そう言いながら私の腕を引き、旅館の中へと入っていく。


「いらっしゃいませ、佐藤彩月さまと香月さまですね

 先にお部屋の方を案内してもよろしいでしょうか?」


聞きなれない名前に驚くけれど、偽名でも使わないと泊まれないからしょうがない。


昨日も偽名だったし。そう納得し、対応はトガちゃんに任せることにした。


けど、そんな双子みたいな名前にしなくても、と思い少しだけ笑ってしまう。


トガちゃんは私が笑ったことに気付かず、愛想笑いをして「はい、お願いします」と言っている。


中居さんはトガちゃんの言葉を聞くと、手早く荷物を受け取り、そのまま空中に浮かせ、


部屋まで案内してくれる。


荷物を浮かせて、操っているのは彼女の“個性”なんだろう。


いや、あまり関係ないのだけれど。部屋まで案内してもらうと


「お出掛けの際は一言お掛けください

 こちらは、外湯チケットになります。ぜひ、下駄をはいていかれてはどうでしょう

 それではごゆっくりどうぞ」


中居さんはそう言って部屋を後にした。


「はあ、疲れた」


トガちゃんは先程の笑みを崩して、疲れきった表情を浮かべる。


愛想笑いは疲れるらしい。


そして、畳の上に寝転がった。


私は外湯チケットが気になって、ずっと見ている。


金の湯と銀の湯、好きな方に行けるのか。


「トガちゃん、ご飯食べる?

 私は観光してるときに食べて、お腹一杯なんだよね」


そういえば、と思い聞くと、トガちゃんは首を横に振る。


これは要らないってことだろう。


「温泉、行きたいんだよね

 私はAちゃんと一緒ならどこでも行くよ」


トガちゃんが付け加えるようにそう言った。


それもバレてるなんて...。


トガちゃんの観察眼に驚きつつ私たちは荷物を簡単に整理して、お風呂の準備をする。


旅館を出るときに「温泉に入ってきます」と言ったら、道順を教えてもらえた。


お礼をいい、私たちは下駄をはいて温泉へ向かう。


カラカラという音が心地いい。


旅館の人から情報を聞かないといけないけれど、今だけはそれを忘れてトガちゃんと温泉だ!

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鈴蘭(プロフ) - ゆいなさん» コメントありがとうございます!トガちゃんが大好きな方にそう言ってもらえて光栄です! (2020年8月21日 21時) (レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - トガちゃん大好きなので最高です!、 (2020年8月15日 23時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - 月雪桜@歌い手好きさん» コメントありがとうございます!トガちゃんの魅力が伝わっていて安心しました。次回作、何を作るかはわかりませんが読んでくださると嬉しいです! (2018年11月20日 22時) (レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
月雪桜@歌い手好き(プロフ) - とてもトガちゃんの魅力が表にでていて(ヤンデレ的な意味も含めて)とても良い作品だと思いました!完結おめでとうございます!とても面白かったです。次回作も期待しております! (2018年11月20日 22時) (レス) id: ada51b0201 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年9月19日 23時

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