【ヒロアカ】今日もトガちゃんと【トガヒミコ】

情報調査の旅　兵庫 ページ17

京都で一時くらいまで観光したあと、私たちは電車で兵庫へ向かう。


とりあえず今回は神戸で調査をする。


ちなみに、神戸に来るのは初めてだ。


疲れた様子のトガちゃんの手を引いて、電車を降りた。


「大丈夫？トガちゃん」


心配になって尋ねると、「Aちゃんがいるから大丈夫!!」と嬉しいことを言ってくれる。


ギュギュッと手を握り直して、私たちは駅を後にした。




「あ、Aちゃん有馬温泉、行こう？

　仁くんに教えてもらって、宿も予約したんだよ！」


歩いていると、トガちゃんがそう言った。


...え？


「宿、予約してあるの...？」


私がトガちゃんにこの調査の予定を話したことはない。


だから、予約なんてできないと思うのだけれど。


たとえ、計画のことを知っていたとしても。


「ふふっ、私をなんだと思ってるんですか？

　Aちゃんのことならなんでも把握してるよ」


妖しく笑い、思いっきり抱きついてくる。


人前なのに、恥ずかしい...


そう思いつつも引き剥がせない私はまだまだ甘いのかもしれないな。


それに、私のことならなんでも把握してるって、思考回路もってことだろうか。


もしそうだとしたら、恥ずかしい、というか照れる。


「宿泊費は仁くんが用意してくれたんだよ

　相談したら、楽しんで!!って言われた！」


トゥワイスさん、そんなことまでしてくれるとは。


もう、頭が上がらない。


トガちゃんの説明によると、素泊まりで１万６０００円だったそうだ。


それくらいなら予算以内だから出せたのに。


トゥワイスさんには別でお土産を買っておこう。


うん、チェックインは４時かららしいし。


心の中でそう決めていると、トガちゃんが抱きついていた手を腕に持っていき、そのまま走り出した


私はよくわからず、引っ張られている状態だ。


「えっと、トガちゃん？

　どうしたの...？」


数分走った後、立ち止まったときにそう聞いてみるとトガちゃんは顔を嫌そうにしかめる。


「ヒーローがいた

　せっかくAちゃんと来てるのに、あんな人とは会いたくない

　引っ張って、ごめんね」


ヒーローがいたのか。


今は平日の昼間。見つかったら、話しかけられる可能性が高い。


京都ではヒーローにも警察にも会わなかったからよかったけれど。


私もトガちゃんとの旅行を邪魔されるのは本望ではない。


「ううん、いいよ

　私も邪魔されたら嫌だ 記憶を全部奪って、世界から消しちゃう

　だから、気にしないで さあ行こう？」


私が尋ねると、トガちゃんはかわいい笑顔で頷いてくれた。

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