情報調査の旅 お姉さんからの情報 ページ15
人混みにいるのが嫌になってきて、
私たちはトガちゃんと繋いだ手をギュッと握り直してその場を離れた。
「荼毘さん、あんなところに放置して...」
私は少しあきれながら呟く。
いや、連合の力を示すためにはその方がいいのかもしれないけれど。
「そんなことよりAちゃん、晩御飯にしましょう！
そこで情報を集めれば、弔くんは何も言わないよ」
そういえば、晩御飯を確かに食べていない。
ていうか、予定を入れてなかった。
ご飯食べるくらいなら少しでもトガちゃんのところに早く戻るために移動しようって思っていたから
でも、トガちゃんがいるならこれも関係ない。
「そうだね、そうしよっか
話ができるお店、探そう」
私たちは人混みを掻き分けて、ご飯屋さんへ向かった。
「こちら、お冷やになります」
店員さんがテーブルにコップを置いて、戻っていく。
私たちが入ったのは、町のレストラン。
隣の席にはお客さんが座っているから、話も聞きやすいだろう。
「あの、すみません
最近ここら辺で事件とかってありましたか？
電車に乗っているときにそんな話を聞いてしまって...」
隣の席のお姉さんにそっと問いかけると、ご飯を食べていた手を止めてこちらを振り向く。
「事件...？
そういえば、私の友達が黒い影に襲われかけたって言ってた気がする
私、こっちに来て日が浅いから詳しいことはわかんないや ごめんね
スーちゃんは、何かわかる？」
スーちゃん、と呼ばれた女性は少し考えてからこう答えた。
「最近のここらの事件は、焼死体の発見
それと、窃盗事件が何件か
大きなものはそれくらいだよ、お嬢さん」
こちらのお姉さんもあまりなまってはいない。
こっちの方の出身ではないのかもしれないな、なんて思いながら、
私はお礼を言う。
「答えていただきありがとうございます
お食事中、失礼しました」
二人のお姉さんは、「いいえ〜」と言いながら食事に戻った。
黒い影に襲われたことがある、窃盗、これはよう報告だ。
私が満足そうにすると、トガちゃんが「終わったの？」と聞いてくる。
それに頷くと、トガちゃんがグイッと顔を近づけてきた。
「それじゃあ今日はもうずっと遊ぼうね」
それだけ言って、トガちゃんは椅子に座り直し、笑顔をこちらに向けながらメニューを眺めていた。
今日の予定は終わったし、はめをはずしてもいいかもな。
そんなことを思いながら、私はオムライスを注文した。
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鈴蘭(プロフ) - ゆいなさん» コメントありがとうございます！トガちゃんが大好きな方にそう言ってもらえて光栄です！ (2020年8月21日 21時) (
レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - トガちゃん大好きなので最高です！、 (2020年8月15日 23時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - 月雪桜@歌い手好きさん» コメントありがとうございます！トガちゃんの魅力が伝わっていて安心しました。次回作、何を作るかはわかりませんが読んでくださると嬉しいです！ (2018年11月20日 22時) (レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
月雪桜@歌い手好き(プロフ) - とてもトガちゃんの魅力が表にでていて(ヤンデレ的な意味も含めて)とても良い作品だと思いました!完結おめでとうございます!とても面白かったです。次回作も期待しております! (2018年11月20日 22時) (レス) id: ada51b0201 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴蘭 | 作成日時：2018年9月19日 23時
