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44・高杉side ページ7

「お前そのものがAの気を保たせてたんだ。だが、」


「沖田君は、それが一番気に入らなかった、と。」

ようやく理解し始めたのか、銀時が呟いた。


「あァ。いつまでも自分を見ず、高杉晋助を見続けているAを許せなかった。だから、

鬼兵隊を攻撃し、Aを壊した」

「あァ…あの奇襲はそのためか。」

軽い口ぶりでそう呟いた高杉。

奇襲や暗殺未遂など日常茶飯事である彼らにとって、今度のこともまたとりとめのないことであった。

しかし、そんなことつゆ知らず、まんまと兄の策略にはまったA。

後は転がり落ちていく様に簡単だったそうだ。


「俺が行った時には遅かった…今のアイツはもう、」

泣き叫ぶAの反抗さえも、また力で抑えつける。

「虚ろな目をして総悟の腕の中にいる、人形だ。

何にも反応せずただ息をしているだけ。」

話しかけられれば植え付けられた同じ言葉を吐き、抱かれる時はまた薬を飲まされ本能的に啼かされる。

「もうあれはAじゃない、Aの心が壊れた後に残ったただの抜けガラだ」


もう、沖田Aはこの世界にはいない


そう土方が言い切ったところでずっと黙ったままだった高杉の握った拳から血が流れ出す。


想像していたよりも遥かに酷い話だった

悔しくて怒りが溢れ返り今目の前で話す土方をすぐにでも斬ってやりたかった

真選組を、幕府を、今日にでも潰してやりたかった


だがそれでも怒りが収まる気がしない

「ッ…」


斬り掛かる?

ぶっ壊す?

バカ言うな

んな事できるわけがねェ


正直一歩でも身体を動かそうもんなら怒りに任せて何もかも壊してしまいそうなのは確か。

こうしてる今だってその衝動を抑えんのに必死だ


けどんな事出来るわけがねーだろ

土方も…沖田も…真選組も…そして俺たちまでも全部抱え込んで、

あいつが…Aが1人で背負って守り続けていたモンなんだ

45・高杉side→←43・銀時side



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海子(プロフ) - めっちゃ泣きました!特に45話くらいからやばかったです!これからも頑張ってください! (2017年4月1日 5時) (レス) id: 83ea04ee11 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - まだ読み途中なんですが、めっちゃ泣けました。これからも応援してます!! (2017年3月13日 23時) (レス) id: 473a281676 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます!大人向け大丈夫でしたか?(笑)これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 最後の方とても…えろかったです…笑 なんかすごい大人な感じのお話でドキドキします笑 (2016年7月29日 2時) (レス) id: 0e09e5e967 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - ロックマウンテンさん» 早速のコメントありがとうございます!喜びのあまりにやにやがとまりません(笑)神威君、大活躍ですよー!これからも楽しんでいただけると嬉しいです♪ (2016年6月28日 15時) (レス) id: df8f2d9e4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あつぽん | 作成日時:2016年1月16日 16時

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