80・あなたside ページ43
「A、気がついたか」
何度も何度も絶頂に達して、私は途中で落ちてしまったらしい。
「あ……」
気がついたら、裸のまま晋助に抱かれ、布団にくるまっていた。
「わたし…ごめんなさい……」
「…何がだ?」
「……」
布団を引き寄せて黙ったままでいる私の姿を、晋助は不思議そうに眺めた。そして、
「あの、わたし…途中で、」
途切れ途切れに言葉を紡ぐわたしを見て、くっくっと笑うと、
「あァ、そのことか…可愛かったぜ」
「え……」
「まさかお前があんなに乱れるとはなァ…俺の腕の中で快 感に 狂 っていく様を眺めるのは、なかなかのモンだったぜ?」
その言葉に耳まで赤くなる。
「だ、だって……」
「だから…もう、謝るな」
「え?」
「Aは何も悪くねェ」
晋助は私の頭をなでた。
「ッ…」
「俺は…どんなお前も、受け入れるから…」
「晋助…」
男の人の肌のぬくもりをこんな風に心地よく感じることができるだなんて。
「……」
「……」
睦言を囁かれ、身体ごと可愛がられ、何度も意識を飛ばして。
「身体…怠くねェか…?」
「……少しだけ、」
「そうか…明日は休むか?女中頭には俺から伝えておく。」
「え…いいよ、多分もう少し寝たら元気になるから…」
「無理するんじゃねーぞ…」
「ありがと…、」
「あァ…じゃあ、寝るか…」
何も身につけない姿で二人、朝まで眠る。
「晋助…」
「……どうした?」
人の肌のぬくもりの心地よさを、晋助に初めて教えてもらったのだった。
「大好き…だよ」
「そうか……」
わたしの顔を自分の胸に抱き寄せた晋助は、それだけ言うと黙ってしまった。
(照れてる…?)
「……」
「……」
締まった腕に抱かれ、夢の世界に引き込まれていったころ、
「A、」
「……――」
「俺も…」
「――ん……」
「愛してるぜ……」
そんな声が聞こえた気がした。
370人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海子(プロフ) - めっちゃ泣きました!特に45話くらいからやばかったです!これからも頑張ってください! (2017年4月1日 5時) (レス) id: 83ea04ee11 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - まだ読み途中なんですが、めっちゃ泣けました。これからも応援してます!! (2017年3月13日 23時) (レス) id: 473a281676 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます!大人向け大丈夫でしたか?(笑)これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 最後の方とても…えろかったです…笑 なんかすごい大人な感じのお話でドキドキします笑 (2016年7月29日 2時) (レス) id: 0e09e5e967 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - ロックマウンテンさん» 早速のコメントありがとうございます!喜びのあまりにやにやがとまりません(笑)神威君、大活躍ですよー!これからも楽しんでいただけると嬉しいです♪ (2016年6月28日 15時) (レス) id: df8f2d9e4c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あつぽん | 作成日時:2016年1月16日 16時