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70・高杉side ページ34

明らかに空気が変わり少し我に返った俺は少し声を落ち着かせ、


「…A、」

改めて目の前のAを見る。



「ッ……」


キュッと唇を噛み締め今にも泣きそうな顔。



「あのな、A…」



そんなAに少し焦りだした俺は、とりあえず一旦この場を落ち着かせようと手を伸ばすが、


「ッ…わかった、」


「おい、」



Aはその手が届く前に静かにそう言って、


「ッ…もう、いい…」


部屋を出て行こうと背を向けた。


「おい、待てよ、A」


「部屋、帰るね」


止める俺の言葉も聞かず部屋を出ていく。


「待てって、お前の部屋そっちじゃねーだろーが!」


そんなAを止めようと急いで追い掛けた俺は一度Aの手首を掴むが、


「離して…、」


「まだ話は終わってねーだろ、」


「痛い、離して」


「おい、A」


パシッ!


「やだってば…ッ」



その手は叩き落とされてしまった。




「わたし汚いから」


そう言ったAの顔はぽろぽろと涙を流しながら自分を睨みつけていて…


「…ッ」


それは、完全に敵を見る目。…いや、


「……おやすみ、なさい」


傷ついた目。


「A……」


唖然として思わず固まってしまうとAは顔を背けて出て行ってしまった


「くそッ…」


大事にしようと決意したばかりなのに、何故こうなってしまう?


取り残された俺はどうしていいのかわからず、ただ声と共にそのもどかしい気持ちを吐き出すと、


「ったく…情けねェ…」


追い掛ける事も出来ず、その場に立ち尽くすばかりだった。

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海子(プロフ) - めっちゃ泣きました!特に45話くらいからやばかったです!これからも頑張ってください! (2017年4月1日 5時) (レス) id: 83ea04ee11 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - まだ読み途中なんですが、めっちゃ泣けました。これからも応援してます!! (2017年3月13日 23時) (レス) id: 473a281676 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます!大人向け大丈夫でしたか?(笑)これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 最後の方とても…えろかったです…笑 なんかすごい大人な感じのお話でドキドキします笑 (2016年7月29日 2時) (レス) id: 0e09e5e967 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - ロックマウンテンさん» 早速のコメントありがとうございます!喜びのあまりにやにやがとまりません(笑)神威君、大活躍ですよー!これからも楽しんでいただけると嬉しいです♪ (2016年6月28日 15時) (レス) id: df8f2d9e4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あつぽん | 作成日時:2016年1月16日 16時

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