【銀魂】新訳 狂愛と共愛2【高杉】【沖田】

69・NOside ページ33

「…今朝…来るなっつったろ…」


「うん…」


「しかも、そんな薄着で湯冷めすんだろーが…」



何度も繰り返すようだが、高杉はAを気遣って毎日相当我慢していた。


「風邪引いたらどうすんだよ…ったく、」


言い換えると…相当溜まっているため、彼もまた、余裕がなかったのだ。



「な…話がしたいなら昼間に聞いてやるから、今日は部屋戻ってろ。」


「……」


「冷えるから、着替えてから寝ろよ」


精一杯優しい声色でAに語りかける俺。しかし、


「…ばか」


「あ…?」


それすらも逆効果だったようで、怒りだしてしまった。


「晋助の…ばか…！！」


「今…馬鹿っつったか…？」


こうなればイライラしていた俺も、つい強く言ってしまう。


「お前のこと心配してやってんのに、どうしてンなこと言われなきゃなんねーんだ」


「晋助は何にもわかってない！」


「んだと……？そもそも、来んなったのに来たのはお前だろーが。」


「っ…」


「"湯冷めする”っつってんのにこんな格好しやがって、何考えてんだよ」


「…今どき街に出たら、みんなこんな格好だもん！」


「それは色街に出たらだろーがよ！」


「は…色街って、」


「丈も短けェ、胸元も緩ィ…商売女じゃあるめェし、」


「なんでそこで遊女さんなのよ！？」


「論点はそこじゃねェだろーが」


チグハグな思いを互いに抱えたまま、どんどんヒートアップしていく２人の言い合い。


「誤魔化さないでよ…！それに、何回も行ったことあるような言い方だし…！」



「一度きりでもう会う事も話す事もねェ。今さら何言ってんだよ、」


「ならわざわざそんな話持ち出すことないでしょ！付き合う前だとしてもいい気はしな……」

「るせーな、」


口にすればする程苛々してきた


「付き合う前なら、お前だって他のヤツと色々あンだろーがよ！」


反論するAが最後まで言い終わる前に大きな声で遮った高杉。


「…ッ」


初めて高杉に本気で怒鳴られたAはビクっと身体を強張らせ言葉を失う。


それは怒鳴られたからだけではない、たった今高杉が口にしたその言葉。

"お前だって他のヤツと色々あンだろ"

高杉からすればそう深い意味を込めたつもりではないのだが、沖田との事を高杉に知られている事を一番気にしていたAは瞬時にその事が頭に過り、それ以上言葉が出なくなってしまった

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