【銀魂】新訳 狂愛と共愛2【高杉】【沖田】

62・double side ページ25

あなたside――


(うわー…なんかドキドキしてきた…………)



一度は迎えに来てもらったものの、直ぐに気を失ってしまったためほとんど顔を合わせる事ができなかった。


その前に久々の鬼兵隊、それだけでもどこか緊張してしまう。



トシと別れてから、楽しみなような緊張しているような思いで港へ向かう。


「やっと帰ってきやがったな、A。」


頭を懐かしい大好きな大きな手で撫でられて……。


高杉side――


「待ってろって言ったのに、ッ…この家出娘が。」


「し、晋助！」


驚くAの身体を強く引き寄せる。


「何…一人で抱え込もうとしてんだよ…！」



「ごめ…っ、」


「A、」

謝ろうとするその唇に自身のそれを重ねる



「っ…んぅ」


ごめんなんて…謝罪なんてさせねえよ。お前は俺を守ろうとしたんだ。

だから絶対に悔やんじゃならねえ。

こんなのエゴだってわかってる。だけど、



「よくがんばったな…、」



憎むのは全部俺がしてやるから、どうかお前は前だけ向いて。


「皆…解ってる。」


そして、俺はそんなお前と共に歩んでいきたいと思うよ。



「A、ありがとう」



「っ……。うぁっ…ひっく」


唇を話してそう言うと、流れる涙。



「俺達には、」


幾分か痩せて小さくなった身体をしっかりと腕のなかにおさめる。


「明日も明後日も…、これからもあるだろ？」


今ならあのとき聞けなかったことが聞ける。


「うん…っ」



「A、どこにも行くなよ」



あのとき言えなかった言葉を伝えられる。


「行かないよ…っ…、」


泣きながら笑うAの顔は涙でぐしゃぐしゃ。だけど、


「晋助ッ…ただいま。」

いままでのどんな笑顔にも勝る一番の笑顔だった。



「おかえり、A」

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