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58・銀時side ページ21

あの日から2か月が経ち、万事屋に何度目かの付け届けをしに来た土方。

「……」

「……」



その帰り際、珍しく共に屯所までの道を歩いていた。

「そーいや、」

「あ…?」


「A、今日発つんだったけ?」

「あァ……」

「表向きは、無期限で鬼兵隊への潜入調整だとか…お前にしたら考えたじゃねーか。」


「っせ、」


「でも、寂しくなるな…」

「別に。月に1度は報告しに帰って来るように言ってるから居なくなるわけじゃねェよ。」


そんな顔して、どこまでクールぶってんだか。


「くっそー、高杉のもんになっちまうのかー。だってよォ、」


…でも、そうでもしねえとやってらんねえわな。


「よく言うだろ?…惚れた方が負け、ってさ。」


本当に、強がってねえとやってらんねえよ。


「あー…こっから独り言な!」


はあ、と大きく息を吐くと「盗み聞きすんなよ!」そう付け足して、空を仰ぐ。


「俺さあ…1度戦争後の動乱期にAに助けられてんだわ。腹ペコでくたばりかけてるところをよー。」

「…」

「けど、当の本人は見事に忘れちまってんの。お前に紹介されても、初めて会いましたーって感じで。」

静かに煙草をふかす土方は、おそらくこちらに視線を遣っているであろう。


「なのに……すげー温けぇの。だから俺はAに2度惚れて、」

ヤツがどんな表情をしているのか予想はつくが、悔しいのでわざと天を仰いだまま続ける。


「2度と言わず、何度も救われてんだ。」

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海子(プロフ) - めっちゃ泣きました!特に45話くらいからやばかったです!これからも頑張ってください! (2017年4月1日 5時) (レス) id: 83ea04ee11 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - まだ読み途中なんですが、めっちゃ泣けました。これからも応援してます!! (2017年3月13日 23時) (レス) id: 473a281676 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます!大人向け大丈夫でしたか?(笑)これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 最後の方とても…えろかったです…笑 なんかすごい大人な感じのお話でドキドキします笑 (2016年7月29日 2時) (レス) id: 0e09e5e967 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - ロックマウンテンさん» 早速のコメントありがとうございます!喜びのあまりにやにやがとまりません(笑)神威君、大活躍ですよー!これからも楽しんでいただけると嬉しいです♪ (2016年6月28日 15時) (レス) id: df8f2d9e4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あつぽん | 作成日時:2016年1月16日 16時

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