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57・土方side ページ20

次の瞬間。


「っ!Aっ!」



立ち上がろうとしたAの体がグラッと揺れる。



気が抜けて一気に疲労が襲いかかってきたのかそのまま意識を失いズルズルと倒れ込んでしまったA。


元々体力も落ちていたのだから当然だ。



さらには、玄関の開く音。

「っ…不味いな、」

隊務を終えた組が帰ってきたらしい。


「おいっ、高杉!俺はともかく…お前はヤべぇぞ!」


「はァー…しゃーねぇ。……今日のところは一先ず引き上げるが、」

慌てる万事屋とは打って変わって冷静にそう言った高杉。


「Aのことは必ず貰いに来るからな。」


軽く笑って背を向ける。



「高杉、今回に関しては…礼を言う。」


「礼なんざ要らねぇよ。俺はお前と同じように、一人の男としてAを取り戻しに来ただけだ。」



「そーかよ…」


高杉の答えに、「いつか必ず鬼兵隊を潰す」とも付け加える。





「あー俺も、とりあえず今日の所は帰るわ。

また、沖田くんとAと一緒に改めて顔出しに来いよ。」

高杉が去ると、次は万事屋。


「まだ依頼料、1銭も貰ってねーからな…早めに頼むぜ」


「…ああ…本当に世話になったな。」

 
「やめろよ…お前が素直だと気持ち悪ぃな。」


そして、最後に。


「ま…A、幸せそうに眠ってるみたいでよかったわ…。」


万事屋はニヤっと俺たちに笑いかけると後ろ手に手を振りながら去っていく




高杉と万事屋が去った後。俺と総悟とA3人揃って縁側に座る。

月明かりに照らされて、俺と総悟の間で幸せそうに眠るA。

久しぶりに3人で眺める月は、かつて故郷で眺めた穏やかな風景で…。


もう夜が深くなっていくる時刻。ただただ輝く月と星だけが3人をを照らしていた。
土方と沖田はAの頭を撫で、いつまでも空を仰ぎながら切なそうに微笑んだのだった。

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海子(プロフ) - めっちゃ泣きました!特に45話くらいからやばかったです!これからも頑張ってください! (2017年4月1日 5時) (レス) id: 83ea04ee11 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - まだ読み途中なんですが、めっちゃ泣けました。これからも応援してます!! (2017年3月13日 23時) (レス) id: 473a281676 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます!大人向け大丈夫でしたか?(笑)これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 最後の方とても…えろかったです…笑 なんかすごい大人な感じのお話でドキドキします笑 (2016年7月29日 2時) (レス) id: 0e09e5e967 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - ロックマウンテンさん» 早速のコメントありがとうございます!喜びのあまりにやにやがとまりません(笑)神威君、大活躍ですよー!これからも楽しんでいただけると嬉しいです♪ (2016年6月28日 15時) (レス) id: df8f2d9e4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あつぽん | 作成日時:2016年1月16日 16時

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