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56・土方side ページ19

「お兄さま、トシ…ごめんなさい。」

「ッ……」

「二人とも…いつもわたしの事を一番にしてくれたのに、愛してくれてたのに、」

Aに真っ直ぐ見つめ続けられている総悟は黙ったままだ

「わたしはわがままばかりだったね」

俺たちをしっかりと見詰めるその瞳には拒絶や同情の色は含まれていない。


「ごめんなさい、気付けなくて…。」

「お兄さまが独りで抱え込んでたのに、」

「トシが悩んでたのに、」

Aは穏やかな表情で続ける。


「でもそんな事まったく気付かなかったからわたし…無神経で傷つけちゃって。」


「お前にそう言って資格なんて、無ェよ…」


「っ…Aを傷付けたのは、俺達の方じゃねーか…っ」


「うん…お兄さまも、トシもわたしに酷いことした。だから、おあいこだね…。」


優しく、だけどもしっかりと。言葉を紡ぐAに俺たちは言葉が続かない。



「昔から似た者同士だもの。だから、」


愛を知るにはまだ早すぎた俺たちは、お互いに傷付けあって、泣いて。

「いつもみたいに…仲直り…しよう?」


それでも…諦めない限り必ず明日はやって来る。



"うわーん、いたいよー!"

"Aー!転けたくらいで泣くんじゃねえよ。ほら、いたいのいたいの土方さんにとんでけー。"

"っ!総悟てめぇ、何で俺だよ!"


君が俺たちを許してくれると言うなら。


"きょうから そーごはわたしのおにいちゃんだね!"

"お兄さまって呼びなせェ。そっちの方が格好いいや。"

"何教えてんだよ、総悟!"


何度でも…、明日が来るなら…。


"トシー!お兄さまがわたしのプリンとったー!"

"そんなに食ってばっかだと太るから、食ってやったんでィ"

"総悟!A!廊下は走んじゃね-ぞ"


泣いたり、怒ったり、笑ったり…。表情がコロコロ変わるA。


そうだ.


この笑顔が俺は好きだった……。

だから、もし許されるなら…。


「っすまねぇ…A、」

「ごめんっ…本当にッ、ごめん、」


たとえ…、俺の隣じゃなくとも。




「ふふふっ…いーよ。これで、」


どうか、もう一度笑ってほしいんだ。

「仲直り。」

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海子(プロフ) - めっちゃ泣きました!特に45話くらいからやばかったです!これからも頑張ってください! (2017年4月1日 5時) (レス) id: 83ea04ee11 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - まだ読み途中なんですが、めっちゃ泣けました。これからも応援してます!! (2017年3月13日 23時) (レス) id: 473a281676 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます!大人向け大丈夫でしたか?(笑)これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 最後の方とても…えろかったです…笑 なんかすごい大人な感じのお話でドキドキします笑 (2016年7月29日 2時) (レス) id: 0e09e5e967 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - ロックマウンテンさん» 早速のコメントありがとうございます!喜びのあまりにやにやがとまりません(笑)神威君、大活躍ですよー!これからも楽しんでいただけると嬉しいです♪ (2016年6月28日 15時) (レス) id: df8f2d9e4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あつぽん | 作成日時:2016年1月16日 16時

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