【銀魂】新訳 狂愛と共愛2【高杉】【沖田】

55・あなたside ページ18

「し…んすけ…？」

高杉の腕の中にいるAの眼に光が宿る。


「Aっ…！」

そして、

「A…、本当に目ェ覚ましたのか！？」

「え…銀ちゃん…どうして…？」


俺に声を掛けられてやっと辺りを見回すA。


「あれ…夢じゃないの…？」

改めて目に入ったあり得ない面子に驚きの表情を見せる。


「ここ屯所よね…みんなどうしたの、」


茫然と立ち尽くしていた土方は、今だ目を見開いたままAの姿を見て小さな声を洩らす 。


「晋助、なの…?」


柔らかく微笑んで、高杉の涙を拭ってやるA。


「晋助が、生きてる…ッ、夢じゃ、ないの…？」


「ああ…」

高杉もまた、

「俺だよ…」


優しげに微笑む。



それから、俺の方へ視線を移すA。


「銀ちゃんも…、ありがとう。わたしはいつも助けてもらってばかりだ…。」


「良いってことよ…！ギャラならがっぽりお前の兄貴と上司に貰ってやるからな！」


俺は、精一杯冗談っぽく応える。



そしてAは、



「トシ、お兄さま、」




未だ驚いた表情を浮かべて立ち尽くしている土方と沖田くんからも目を逸らす事なく、見詰める。

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