【銀魂】新訳 狂愛と共愛2【高杉】【沖田】

53・銀時side ページ16

土方と沖田くんの方はなんか和解したっぽいな。

…だけど。

「そーご、」

高杉の腕の中でも、Aは沖田くんの名前を機械的に呼び続ける。


「そーご、だいすき」

「ッ……」


沖田くんが、Aの心を壊したということは紛れもない事実。



「そーご、あいしてる」


それは、どれ程悔やんでも変わることのない現実。



「……おい！しっかりしろよ！Aっ！」

Aを抱き締めて叫ぶ高杉。


「総悟じゃねェだろッ…、」


戦乱の中でも、取り乱した姿をほとんど見たことがなかった奴らしくない姿。


「晋助だろ…ッ！！」


「高杉…あんまり動かすなって、」


「おい…Aッ！しっかりしろよ！」


「っ…落ち着けって、どっか怪我してるかも知れねぇのに、」


興奮した高杉を抑えようと肩を掴むと、

「ッ…!?」

震えているのがわかる。

「待ってろって、」


ああ、そうか…高杉が…。


「言ったじゃねえかよ…っ」

あんなに冷静な奴が、先生が亡くなって以来壊すことだけを考えて修羅の道を進んできた奴が。
守りたいと願い、


「頼むよ…ッ、…A」


……泣いてるんだ。


「戻って来いよ、お前が居りゃそれだけでいいから…ッ」

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