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52・土方side ページ15

「キレイゴトばっか言いやがって…反吐が出る。」

顔を上げて俺を睨み付け、激しく叫ぶ総悟


「ふざけんな!欲しいか欲しくないか、自分の物にするか、しないか……、それだけじゃねーか!」


感情を吐き出すその姿は、怒っているのにどこか苦しそうで、


「イライラすんだよ…あんたの何もかも見透かしたような目が!まるで…ッ、」

悲しそうで、

「自分が一番Aを理解しているかのような口振りが…ッ!」


もうどうしたらいいのかなんて、きっと彼自身にもわからなくなってしまっいて、


「いまさら…ッ…、そんなこと言わねェでくだせェよ…」


助けを求めているように見えた。


「そうだよな、認めたくねーよな?」



間違ってたなんて。

傷付けてたなんて。

俺だって思いたくねーよ。


「だけど、認めなきゃ…前に進めやしないだろ。」




拳を握りしめて俯く総悟を心配してか、座ったまま総悟に擦り依り、隊服のズボンを握るA。

「そーご。」


「っ…!」


そして、

「だいすき、あいしてる、」

繰り返される言葉。

「そーご」

「っ……A、」

「だいすき、あいしてる、」

「俺は、ただ、」


総悟か、俺か、


「そーご、」


「ただ、お前と…ッ、」


あるいは二人ともからか。

「そーご、」

「幸せになりたかったハズなのに…」


畳に落ちる水滴が染みをつくる。


「おい、総悟、A。」



へたり込む総悟。心配気に総悟に依るA。



「もう、終わりにしようや……」



万事屋も高杉も静かに見守っている。


静かな部屋に繰り返されるAの声が響く。

「そーご、そーご。だいすき。」


そして、


「助けてッ、くだせぇ…っ。」

堰を切ったように泣き出す総悟。悲痛な叫びが溢れだす。



「壊しちまった、俺が。」


斬り込み隊長で昔から剣の腕は一番で。兄として、弟として、隊長として。
期待されて。応えようと無理してたんだな、大人ぶって、心はそのままでいたんだな。

「Aを…守りたかったのに…。」


自分の感情すら理解できない不器用な子なんだと思う。
自分の感情が理解できないから表現もわからない。


「どうにも、出来ねェ…ッ」

その苦しさの理由すらわからない、まだ未熟な1人の少年なんだ

53・銀時side→←51・高杉side



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海子(プロフ) - めっちゃ泣きました!特に45話くらいからやばかったです!これからも頑張ってください! (2017年4月1日 5時) (レス) id: 83ea04ee11 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - まだ読み途中なんですが、めっちゃ泣けました。これからも応援してます!! (2017年3月13日 23時) (レス) id: 473a281676 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます!大人向け大丈夫でしたか?(笑)これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 最後の方とても…えろかったです…笑 なんかすごい大人な感じのお話でドキドキします笑 (2016年7月29日 2時) (レス) id: 0e09e5e967 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - ロックマウンテンさん» 早速のコメントありがとうございます!喜びのあまりにやにやがとまりません(笑)神威君、大活躍ですよー!これからも楽しんでいただけると嬉しいです♪ (2016年6月28日 15時) (レス) id: df8f2d9e4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あつぽん | 作成日時:2016年1月16日 16時

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