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49・高杉side ページ12

「人っ子一人いねェな」

「あァ…」


土方の宣言どおり人気のない屯所。


「つーか、広すぎてすでに迷子なりそーだわ。ウチに一部屋くらい分けてくんねーかなァ」

「随分貧相な暮らししてんだなァ、銀時。」

「うっせ、ボンボンとは違うんですーーー!!」

「ンだと…喧嘩売ってンのか」

「お前ら…うるせェー。少しは静かにできねェのか」


厭に長く感じる廊下を歩き、

「あれれェー土方君、緊張してンのー?」

「ここまで来てビビってんのか?」

「ったく…お前らに緊張感が無さすぎんだよ。」

そして着いた沖田の部屋。

「ここだ…」

「おう」

「……」

誰が開いたのだったか。

「ッ……」

襖の奥、部屋の真ん中に敷かれた蒲団の上には、Aが座っていた。

「A、」

着物を形ばかり羽織らされて居るが、覗く肌には紅い華や縛られたような跡がのこっている。

そして、

「おかえりなさい」

無機質な瞳には何も映さない。


「そーご、だいすき。」

「は…、どーいう、」

「そーご、あいしてる。」


ただただ機械的に繰り返すのみ。

「そーご、だいすき。」

「ッ…A」

「そーご、あいしてる。」


予想以上の衝撃に立ち竦んで動けなくなる俺と銀時。



「おい、Aをここから連れ出す!話はそのあとだ!」


その横を通って土方がAの元へ一歩踏み出そうとした。その時、


「旦那に土方さん…それに、高杉まで、」


背後から、居るはずのない奴の声。

「珍しい組み合わせですねィ。」


「っ!総悟!?お前何で…!」


そして、

「おかえりなさい」



また繰り返すAの声が、

「そーご、だいすき。」

「そーご、あいしてる。」

すっかり暗くなった部屋に響いた。

50・土方side→←48・高杉side



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海子(プロフ) - めっちゃ泣きました!特に45話くらいからやばかったです!これからも頑張ってください! (2017年4月1日 5時) (レス) id: 83ea04ee11 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - まだ読み途中なんですが、めっちゃ泣けました。これからも応援してます!! (2017年3月13日 23時) (レス) id: 473a281676 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます!大人向け大丈夫でしたか?(笑)これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 最後の方とても…えろかったです…笑 なんかすごい大人な感じのお話でドキドキします笑 (2016年7月29日 2時) (レス) id: 0e09e5e967 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - ロックマウンテンさん» 早速のコメントありがとうございます!喜びのあまりにやにやがとまりません(笑)神威君、大活躍ですよー!これからも楽しんでいただけると嬉しいです♪ (2016年6月28日 15時) (レス) id: df8f2d9e4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あつぽん | 作成日時:2016年1月16日 16時

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