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第25話 ページ27

瞳の色も髪の色も、何もかもが一緒の、片割れ。

物心つく前から、同じように育てられ、何をするにも一緒だった。


“おい、早くしねェと置いてくぞ”

“待ってよー、”

共に遊び、稽古をする。二人で姉上の後をついてまわり、近藤さんを慕う。


土方さんが現れてからは、姉上を奪られる寂しさを埋めるように、更に二人で行動を共にした。


武州に立つ前日、

”…私も…連れていって…

私は…Aちゃんとそーちゃんの親代わりだもの。

それに…私…みんなの…、

十四郎さんの側にいたい”

“しらねーよ

しったこっちゃねーんだよ、

お前のことなんざ”

姉上と土方さんの会話を聞いて襲われたどうしようもない喪失感。

“ッ…なァ、A、”

“そーちゃん、どうしたの”

その夜初めて、

“…ん、いきなり…やっ!”

“っ…クチュ…ッ…”

“ん…やっ…そーちゃ…”

“いいから、力抜いてなせェ…”

“っ…ん、苦しっ…”


Aとキスをした。

“ッ…はっ…そーちゃん、”

“頼むから、”

昔から親子がするようなキスはよくしていた。けれど、その日は深く貪るようにAを求めた。

“お前だけは…、”

“いいよ、そーちゃん”

今思うと、Aまで土方さんに盗られたくなかったのかもしれない。

“もう一回…しよ…?”

それから、危険な仕事の前や激しい斬り込みの後は、お互いの"生"を感じるために、何度も何度も深く唇を交わした。


俺らは一心同体で、俺が冷たい陰なら、Aは光の部分だった。

“そーちゃん、そーちゃん、”

俺の名を呼んで笑う彼女は、どれだけ人を斬っても、綺麗で、真っ白なままだった。


だけど、

“ん、あ…や、そーちゃ…痛い…”

“…大丈夫だから、体の力抜きなせェ”

“…ん…ぁ…”

“そうだ…上手でさァ…”

“そーちゃん、も…動いても、だいじょうぶ…”

“ッ…無理すんじゃねェぞ、”

“…そーちゃん、一人に、しないで”

“当たり前でさァ…俺たちは、”

姉上の葬式の夜、禁忌をおかした。

“二人で1つ…。約束、”

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あつぽん(プロフ) - 白雪さん» ありがとうございます!そんな風に言っていただけるなんて本当に嬉しいです。励みになります!これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - これ面白すぎです (2016年8月23日 20時) (レス) id: 7a9606292a (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 蒼月さん» ありがとうございます!コメント、本当に嬉しいです。これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします! (2016年7月4日 21時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 続き楽しみです!更新頑張って下さい♪ (2016年2月5日 17時) (レス) id: 5defdd12f1 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 高杉銀時さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていると言っていただけると、すごくテンション上がっちゃいますよー(*^O^*)これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします ! (2016年1月12日 19時) (レス) id: df8f2d9e4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あつぽん | 作成日時:2016年1月4日 14時

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