１３。 ページ15
特別実習当日。
私は、リィン達と一緒に貿易地ケルディックに向かう。
正直、B班がとてもヤバいので、B班にすればいいんじゃないか、と思ったが、サラ教官曰く、
「あんたにはリィンか誰か、あんたの事を結構知っている人が居ないと無茶するでしょ。だからよ。」
との事だった。
『ふぁ・・・。』
今日は早起きをしたので、かなり眠かった。
いつも通りの真紅の制服に着替え、地下室から出る。ちなみに入り口はキッチンの反対側にある保管庫らしき所に繋がっている。
部屋から出ると、見覚えのある癖っ毛の黒髪が目に入った。
「あぁ、おはよう。ロイ。よく眠れたか？」
『あー、うん。まあまあ。他の皆は？』
「エリオットは今、朝ご飯作ってる。アリサとラウラは、雑貨店に化粧品とかを買いに行くって言ってたぞ。」
成る程、道理でキッチンから甘い匂いがすると思った。
そう考えて居ると、エリオットが扉の奥から顔を出す。
「あ、おはよ、ロイ。ご飯出来てるよー！」
エリオットに促され席に着くと、トーストとオムレツが出てくる。
ちょうど卵が食べたいと思っていた所だ。
「「「『「ご馳走様でした。」』」」」
もうこれと他の料理をメニューに入れてカフェを開けば売れるんじゃなかろうか。
そう思えるほどの出来だった。
エリオットお手製の朝食を食べ終わり、ちょうど駅の電車の時間ぐらいになったので、五人で駅に向かう。
「・・・？ロイは何をしているんだ？」
『ん？あ、これね。トマス教官に頼まれたんだよ。古文書の解読。』
そう説明すると、リィンから感嘆の声が聞こえる。
「へぇ・・。凄いな、ロイは。かなり風化してるみたいだし、大変なんじゃないのか？」
『うん。風化してて読めない所もあるからさ。読める部分だけ解読して情報を得るんだ。殆ど重要な部分が風化しているから大した情報は得られないけどね。』
「んー、何々・・・
獅子戦役にて、・・の力を身に宿して戦う、・・とは違う・・が存在していた。
彼らを束ねる者・・・・・・・は獅子心皇帝に忠誠を誓ったが、内戦が集結すると、・・・の為虐殺された。
その後人の記憶からも抹消され、御伽噺となった。
虐殺から逃げ延びた我々・・は、此れを後世に伝えるべく、族長・・・・・・を冷凍保存し、100〜200年程経てば溶けるように設定した。此れで我々・・は後世に語り継がれるだろう。
・・・うーん、なんか重要な所が・・」
リィンは何故か、この文書に引っかかる所を感じた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 12人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルル | 作成日時：2014年9月19日 17時
