散レ散レ赤月の夜に. 弐【暁のヨナ】

練習と先生 ページ7

「あははっ。ハク 先生に向いてないって」




クスクスと腹を抱えて笑った


あれだよね
ハクって身体で覚える派でしょ




ヨナ様は飛んでいる鳥を仕留めるために弓を射る練習をしているが、なかなか矢が届かない


ハクからのアドバイスは「狙う」という一言だけ。


確かに狙うのは当たり前なんだけど、弓を射る基礎を教えなきゃ






ハク「すみませんねー教えるの下手で」


「痛い痛い痛いっ
そう意味じゃないって！」





小突いてくるハクを止める。
やめて切実に痛いっ！






ヨナ「A、教えて！！」

「…はい。いいですよ」




ハクを若干睨みつつ立ち上がった
ジリジリするよ うん。


…次は僕が先生ね。
ヨナ様の後ろにまわり、一緒に弓を構えた






「姿勢は これでいいです。
ですが、まずは力をつけた方がいいと思いますよ」





弦を引く手が震えてしまっている
腕の力が必要だ






バサリ、空に一羽の鳥が飛んだ


集中力を高め、それを狙いに定める






「動いているものには、次 どこに行くのかを予測しながら…




射抜く」








シュパッ

矢は命中し、鳥は地へと落ちた







「あとは 慣れ、ですかね。
目の前にいるものに惑わされないように＿＿＿ってどうしました？」






ヨナ様は 弓を両手で握りしめながら
そわそわとしていた

そして、目をキラリと輝かせる






ヨナ「さっきのすごかったわ！！
なんてゆうの？ゾワッときて、鳥肌が立ったってゆうのかしら…？」




興奮気味に話すヨナ様に
僕は あちゃー、と苦笑をこぼした


それはね







ハク「殺気だな」

ヨナ「へぇー！」






すごいわね！とキラキラと輝かした目を僕に向けてくる。



違うよ、違うんだよっ！
鳥に殺気向けちゃうとかバカなんだよ僕っっ！！






ユン「鳥だけに殺気って…」





見ていたユンにズバズバと図星を貫かれた
僕もそう思いました気を付けます









まぁ、なんだかんだで 坂を登り、休憩を取りながら弓の練習をいれることになった。



木に向かって矢を射る練習だ。
矢をまっすぐ射れるように、これが今の目標



先生という名の僕らが、ヨナ様に弓を叩き込んでいく。







本人の真剣さは、すごく伝わる



それは、夜にまで頑張る姿を見かけることにもなった。




…僕には見えないけどね。
それがちょっぴり残念なことだ。

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