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俺の上に乗っかってたAが肩を押して離れようとするのを見て、起き上がった瞬間を狙ってぐるんとソファーへ押し倒す。
『わっ!?』
「ダメ。」
『ちょっ、プレゼントあ』
「後でちょーだい。今はAがいい」
『っ、そんな』
素直にそう言葉にすると、じたばたと俺の腕から抜け出そうとしていた手が緩まって。
俺に捕まったまま彼女は不貞腐れたように唇を尖らせた。
「なーんでそんな不満な顔すんの」
『別に〜?』
「エリカ様か」
『別にっ』
「モノマネ下手くそ(笑)」
くだらない話をしてたらバチッと目が合ってんふふと笑い始めるA。
それにつられて笑うと、彼女は満足そうに目を細めた。
『27歳も幸せな年にしてね。てっちゃん。』
彼女がお手本みたいに綺麗な笑顔を浮かべると、肯定するように“にゃあ”と下から聞こえる。
ソファーの下に視線をやると、いつの間にやら猫がちょこんと座ってて。
そっと猫を抱き上げてAの上に乗せ、まとめてぎゅうっと抱き寄せた。
『わっ!』
「……幸せ」
俺の影が重なって急に暗くなったから動揺したのか…俺らの真ん中でじたばたしてる猫が数分前のAみたいで笑える。
潰さないように緩く抱きしめてると、落ち着いてきて彼女の上でくるんと丸くなった。
『ふふ、踏まれてる 擽ったい』
「……それはちょっと妬ける」
『えー?てっちゃんの猫ちゃんでしょー』
……そりゃそうだけど。
「俺のAだからダメ」
『けち』
“君の飼い主さんはけちだねぇ”なんて繰り返しながら猫を撫でる彼女の首筋に擦り寄ると、顔を真っ赤にして“もう!”とまた唇を尖らせた。
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遊馬(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» 誕生日にUPが間に合ってよかったと一安心しております。おめでたい!!そしていつもご愛読有難うございます…!深夜0時にもかかわらず、一番で評価・お気に入り・コメント頂けてとても嬉しいです。更新はゆっくりになりそうですが今後とも宜しくお願いします(笑) (2020年10月30日 14時) (レス) id: 292e8772db (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 第1評価&お気に入り(多分)はいただきましたっ!!!新作…しかも橙さん……嬉しすぎます!!!お誕生日もおめでたいですね!更新、楽しみにしております!!!!! (2020年10月30日 0時) (レス) id: 294927c63e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遊馬 | 作成日時:2020年10月30日 0時