30話 ページ30
アーヤside
急に女の人の声が聞こえた。
上を見上げてみるとこの家の人らしい人が窓から顔をのぞかせている。
「すいません。僕たちは浜田高校付属中の1年生です。地元の水質汚染についてこの溝で調べさせてもらってたんです。勝手なことをしてすいませんでした。」
翼がよくそんなに噓がペラペラと言えるものだってくらい自然に話したのでどうやら女の人も信じてくれたみたい。
「あら、ごめんなさい。勘違いだったみたいね。いつもの不良だと思ったものだから。」
不良!?
「ここら辺に不良がいるんですか?」
「ええ。夜になるとそこの広場によく集まってくるのよ。一昨日なんてあなた達がいる所で殴り合いを始めたんだから。」
じゃあこの人は重要な目撃者!?
「そうでしたか。大変でしたね。その人達は警察に捕まったんですか?」
「それがねぇ。殴りかかった方は誰かが追いかけていったんだけどもう一方はぬけぬけと広場の方に戻っていったのよ。警察を呼べばよかったわ。でも広場に戻っていった方は小柄なのに大柄の人に威張って話していたからなんだか不気味で。」
弱そうな人が強そうな人に威張って話す?
不思議だなぁ。
「ありがとうございました。そろそろ合流しなければならない時間なので行きますね。ご迷惑おかけしました。」
「弱そうな人が強そうな人に威張って話すってあり得るの?」
普通、生意気とか言われて殴り倒されそう。
「パターンは3つ。1つは兄弟関係。2つ目は虎の威を借りる狐。3つ目が先輩、上司と後輩、部下の関係。」
なるほど。
「でも3つ目はないんじゃない?不良ってケンカが強くないと上の階級にいけないと思う。」
「小柄の奴が案外強かったりして。」
え?どういうこと?
「小柄の奴がスピード重視だったらいけるだろ。攻撃をよけて急所を習ってけば勝てない事はない。」
そっか。
ケンカが強いのは必ずしも大柄な人じゃないもんね。
私が納得した直後に君が代が流れてきた。
翼がスマホを取り出す。
「はい、美門。」
誰かから電話が来たみたい。
誰だろう?
翼は手短に話を終えるとニヤッと笑った顔でこっちを向く。
「二階堂達からだ。すぐに来てほしいって。」
「え、何処へ?」
「警察署。」
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ねね - 面白かったです!!バカ杉とバカ武の言い合いを見て、消えた黒猫は知っているだったっけ??どれかの本のシリーズで、上杉ではなく、出杉が出て面白かったwwそれが思いだしました! (2021年4月1日 20時) (レス) id: 1efb73ea53 (このIDを非表示/違反報告)
藤壺 - すごいおもしろかったです (2020年7月19日 21時) (レス) id: 2767eaffef (このIDを非表示/違反報告)
彩奈 - 読みました。とっても面白かったです。ただ一つお願いがあって、会話文の前にその人の名前の頭文字を入れることは可能ですか?できるならばお願いします。例えば若武なら若「」という感じです。 (2019年2月12日 6時) (レス) id: c4ccdcc99d (このIDを非表示/違反報告)
ホワイトノート - ありがとうございます! (2018年7月29日 14時) (レス) id: 879f49579e (このIDを非表示/違反報告)
ギラティナ(プロフ) - おもろいデス! (2018年5月6日 20時) (レス) id: 7b31dac02f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ホワイトノート | 作成日時:2018年4月2日 16時