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【夏が始まる】芥川龍之介 ページ7

*

夏が始まる。

ギラギラと光る太陽がコンクリートを照らし、その光が視界を妨げた。
自宅のマンションから出た私は、その眩しい光に目を細めて歩き出した。
向かう先はある公園。

夏になると、私は必ずあの場所へ行く。

その公園から徒歩1分のコンビニでアイスと飲み物を買って、そのビニール袋をカサカサと音を立てて持ちながら公園へ向かう。
途中、ビニールからソーダのアイスを取り出して火照った顔を冷ますように齧った。

ちょうど公園に着くと、やはりいるのだ。
いつものように大きな木の下の涼しげなベンチに1人。
何をするわけでもなくただベンチに座り、夕刻になって帰っていくその男。
去年も、一昨年も。
夏になれば週に2日。火曜と木曜の昼過ぎから夕刻にかけての3時間ほど。




元はと言えば、一昨年のこと。
家のPCで仕事をしている私は、息抜きにとコンビニでアイスを買い、公園のベンチに腰をかけると、いたのだ。

黒ずくめで、目に光がない。心なしか少し鉄臭かった。一目でただならぬオーラを感じよからぬ雰囲気を察していたはずなのに馬鹿な私はよくわからないことを口走っていたのだ。


「………ここ、よく来るんですか?」


なんだその質問は。全力で自分を殴りたい。
案の定その男は「自分に言っているのか」と言わんばかりに眉を顰め、訝しげな目で私をみた。


「……いや、」


なるほど。ですよね。


「………………………」


いや、わかってましたけど。
なんか隣に座ってるのに沈黙も辛いし、この公園人はほとんど来ないからなんか話さないと。なんて熱中症寸前の馬鹿な頭が考えた結果ですけども。

いやいや、そもそもなんで隣に座った?って感じですよねホント。

あの時はおかしかったんです。頭が。
え?今もおかしい?そんな馬鹿な。


まあとにかくそんな感じで、私と彼は出会ったのだけど………。

未だにそうだがこの人は全く話さない。
なので基本的には時々私が話しかけてそれに対してスルーされる事もあれば答えてくれる時もある。

ちなみに1番傷つくのは嫌そうな顔をされる時だ。

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紅月天音(プロフ) - 霊夢どうふさん» ありがとうございます!!更新は遅いですが、お話の質は落とさないようにしていきたいと思います! (2018年7月26日 13時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
霊夢どうふ - 芥川さんが多い上に描写がふつくしすぎる!更新頑張って下さい! (2018年7月26日 1時) (レス) id: 8add41b466 (このIDを非表示/違反報告)
紅月天音(プロフ) - ワッさん+aさん» 素敵な感想をありがとうございます!!今後も期待に応えられるようにお話を作れたらいいなと思いますので、よろしくお願いします! (2018年3月31日 12時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
ワッさん+a(プロフ) - 背景と、主人公の心情の移り変わりがとても細かく書かれていて素敵です!!!! 惚れました!!!!之からも楽しみにしています!!!! 更新頑張って下さい!!! (2018年3月30日 21時) (レス) id: 0cdcac71cf (このIDを非表示/違反報告)
紅月天音(プロフ) - 紫猫日和さん» 大変長らくお待たせいたしました!すみません、芥川sideは難しくて中々筆が進まず…!ようやく完成いたしました!リクエストありがとうございました!またお気軽にどうぞ! (2018年1月24日 17時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅月天音 | 作成日時:2017年10月16日 17時

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