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「よっしゃ、じゃあいこっ」
浦田くんは握った手を引いたままいろんな出店を回っていって繋いだ手に違和感がなくなった頃には花火が上がる時間に迫ってきてた
こっちこっち と手を引かれて打ち上げ台のある出店たちの並ぶ土手の反対側に移動した
出店の並んだ人混みの騒がしさが遠くに小さく聞こえ、連れてこられた此処は花火が上がる前の静けささえ感じる
「浦田くん出店で買いすぎだよ」
お金‥と小銭入れのはいった巾着を開けようと繋いだ手をほどこうとしたら手の自由は戻らなくて
寧ろ座ろうと先にしゃがんだ浦田くんに繋いだままの手を引っ張られ割りと豪快に尻餅をつく
痛くはなかったけど 恥ずかし
お構いなしに浦田くんは「これはAのね」とりんご飴や綿菓子をくれた
花火大会がご無沙汰だからりんご飴や綿菓子もすごく久々で素直に嬉しい
「ありがとう」
浦田くんを見上げたら眉を下げてため息混じりに笑みを返された
「そんなので喜ぶんだ?」
?
浦田くんの言葉が理解できないまま ドーン と暗空に花が咲いて火薬の臭いが鼻を掠めた
二人の視線は空へと自然に向いて、
繋がられてた手はいつの間にか恋人繋ぎに絡んでた
違和感もなくなって、寧ろ嫌じゃない
花火の音が心臓の鼓動を隠してくれる
気のせいだもん
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こたぬきよりのcrew - 切実に好きだわ 更新頑張って♪ (2019年7月5日 20時) (レス) id: d73a6f0aa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2019年6月27日 3時