【歌い手】誰そ彼時＊彼は誰時【たぬき】 (ページ19)

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数分間悶えるように悩んでた浦田くんだったけど切り替えたように突然「そーいや、坂田とは最近なんもないの？」

廊下側の席で数人集まって何か読んでる坂田くんに自然と視線を送った

「‥？別に普通に元通りだよ？」

浦田くんは "普通"っていうところになのか"元通り"の方になのか納得がいかないのかさらに聞いてきた

「普通にって‥え？何もなかった。に普通になってんの？」

キョトン顔の浦田くん

「？うん。坂田くん謝ってくれたし、もうしないって」

そもそもキス‥されたわけじゃないし‥ね？

あの日浦田くんとキスをしてたことも見なかったことにしてくれるっていってくれたし、もう諦めるからと約束してくれて、何より同じクラスで気まずいのはお互いに嫌だなと思ったから許すことにした。

「ふーん‥ やっぱ坂田は油断できないね」

すっと立ち上がった浦田くんは素早くわたしの頬にかるく触れるだけのキスをして「無用心なAが一番悪いんだけど」と耳元で囁いて自分の席へと戻っていった

予鈴のチャイムがなってお弁当を急いでしまった。

ちょ！！教室でキス(そんなこと)しないでよ！！

冷静に思い出して触れた頬に手を当てて浦田くんを睨んだ

浦田くんはニッコリなぜか嬉しそうに笑ってる

まだ触れた感触の残る頬が片側だけ熱い‥

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