【歌い手】誰そ彼時＊彼は誰時【たぬき】 (ページ17)

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kiss ページ17

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放課後の本校舎東棟の会議室の一室。

外は部活生のランニングの掛け声やホイッスル、体育館から漏れるブザー音‥

「っん‥

ふっ‥待っ‥て」

息絶え絶えに浦田くんの胸を押すけどびくともしない

離れた唇の隙間から酸素を肺に取り込む

「待てない」

キスする約束だったでしょ？と浦田くんはまた唇を重ねるのだ

ちゅっなんてリップ音を奏でながら

「‥舌っが入るなんて、聞いて‥な‥い！」

必死に訴えては見たけど浦田くんは一瞬時が止まったようにキョトンとわたしを見てぎゅっと抱き締めてきた

意味が分からなくてどうしていいのか悩んでいたら頭の上から浦田くんの言葉が降ってきた

「A可愛いなー

どうしようかな‥」

深刻そうに呟く浦田くん

？？

「な‥にを？」

少し聞くのも怖いけど‥

「Aちゃんの純粋なそういう初めてを奪っていきたい気持ちと、大切にしてとっておきたい気持ち‥

大切に取ってても最終的にするのは俺なんだけど」

浦田くんの言葉の意味が分からなくて見上げて固まっていたら浦田くんからピシッとデコピンを喰らった

「いっっっ」

おでこを押さえて浦田くんを見たら

「坂田と俺に内緒で勝負してたからおしおきね」

な、何で知ってるんだろう‥

「抱きつかれたり触らせたり‥Aだめでしょ」

あー‥確かに坂田くんに告白されたのは驚いたな‥まさか好き‥なんて言われるとは‥

「俺が来たから良かったものの、来なかったらAのファーストキスは坂田だったんでしょ？」

た、確かに‥そうなってたのかも‥

「流石に勝負にも負けてるし、キス(さっきの)見せつけたから当分はおとなしいと思うけど‥坂田は諦めてないと思うから気を付けてね？」

ピシッとデコピンが同じところに入って地味に痛いんだってば‥

「それだけAが可愛いってことなんだけどね」

そっと触れるだけのキスがデコピンのはいったおでこにそっと落ちてきた

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