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ぬ「かつて、スサノオに討伐されたはずの八岐大蛇は生きていた。そして平安時代に暴れて、姿を消した。その後、江戸時代になって突如、山が現れた。それは他でもない、八岐大蛇であった。」

ゾム、ロボロ、オスマンの三人は真剣にぬらりひょんの話を聞いていた。

ぬ「あの山が八岐大蛇だと分かったのは、先日亡くなった娘の、年を取らん女の話がきっかけじゃった。わしの記憶の隅にあったものが蘇ってきた。唯一、八岐大蛇に襲われなかった村の、年を取らん女の話。これは偶然ではないと確信した。そして妖怪の仲間たちとともに、もう一度、あの山を調査した。」

江戸時代から大正時代にも調査をしたが、妖力が強く、思うように近づけなかった。だがその時は、その山が八岐大蛇だという考えはどこにもなく、調査も不十分に終わった。

時代を越えて、ぬらりひょんと関わりのあった二人が残してくれた二つの情報は、一本の糸で繋がっていた。それに気づいたぬらりひょんは、現代の妖怪の仲間たちとあの山を調査した。最新のドローンも飛ばした。衛星マップも活用して、空からの様子や山の形も確認した。

再び、ぬらりひょんはあの山の入口に立っていた。しかし今回は妖力が全く感じられなかった。以前、調査した時には山の妖力で身体が押され、誰も前に進むことすら出来なかった。すんなりと参道を進めた。今まで妖怪は山に入れなかったが、人間は山に入り、階段やベンチ、鳥居などを建てて道を整備できるほど余裕があったらしい。
道中、何か手がかりはないかと、階段を一つ一つ、丁寧に登った。特に何もないまま、頂上に着いた。そこには古くからあったかのような、立派な造りの神社が建っていた。

ぬ「参拝客の顔をして神社に入った。箒で掃き掃除をしていた巫女さんに質問した。ここはいつから建っておる?と。」

10代か20代か定かではないが、その巫女の女性はぬらりひょんの質問に困ったように笑った。

『覚えてないです。』

そうか、と呟くとぬらりひょんは神社を観察した。
何の神様が祀られているのか、この神社はいつからここにあったのか。
そして、夏だというのに、この咲き誇る桜は何なのか。
後ろ髪を引かれる思いだったが、異様な気配を感じたぬらりひょんはその神社を後にした。

ぬ「ゾムが見て来てくれたが、あの桜は秋になっても今だに咲いているようじゃな。」

ぬらりひょんの話を聞き、ゾムは神社で見た光景を思い出していた。満開の桜と、巫女の姿。
 
 

3→←ただ一点の光



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舞茸(プロフ) - お待たせいたしております(-_-;)子供の新学期準備に、謎の喉の違和感と咳に投稿が滞っておりました。お楽しみ頂いている方には、本当にお待たせしてしまい、申し訳なく思います(_ _;)これからどんどん投稿してゆきます!!読んでいただき本当にありがとうございます! (2022年4月27日 0時) (レス) id: b96c8fba01 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 次の投稿楽しみにしています。お体にお気をつけて (2022年3月30日 21時) (レス) @page32 id: 2020323a87 (このIDを非表示/違反報告)
舞茸(プロフ) - 気づくのが遅くなり、申し訳ありません!!わざわざ投稿、ありがとうございます!!育児中のため、更新が遅いです、ご了承下さい。ですが感想頂くだけで、とても励みになります!投稿、頑張ります! (2022年2月18日 1時) (レス) @page32 id: b96c8fba01 (このIDを非表示/違反報告)
- ゾムさん、かっこええ...。 (2022年1月20日 12時) (レス) @page23 id: 9e2a714ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ロクロ - 面白い!見つけられてよかった! (2021年12月22日 18時) (レス) id: 9754f34744 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:舞茸 | 作成日時:2021年11月7日 22時

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