3 ページ47
zm「あの山が八岐大蛇…。」
だとしたら相当、巨大な妖怪だ。
rb「んじゃ、年取らん女性はどこにいるんです？そもそも、その女性は八岐大蛇が化けたものなんですか？」
ぬらりひょんは難しい表情で腕を組んだ。
ぬ「恐らくわしが話しかけた巫女が、年を取らん女じゃ。先日亡くなった婆さんがそう言っとった。神社の巫女さんが、ずっと年を取らんと。ただ正直な所、八岐大蛇が化けてるのかどうかは、分からん。」
なるほど…とロボロは呟いた。
os「何故、話しかけた巫女さんが、例の女だと分かったんです？」
ぬ「覚えとらん、と答えたのじゃぞ。普通の若いもんなら、分からん、知らん、それか現代ならネットで調べるじゃろ？だが彼女は覚えていない、じゃ。若いのに、神社が建つ前から知っとる口ぶりじゃ。」
ロボロがそうか、と声を出した。
rb「ほんまにそうやな。今の若者からしたら、神社なんて自分が生まれるより前に建ったもんなんやから、覚えてない、なんて言わん。聞いたけど覚えてない、ならまだ分かるけどやな…」
ぬ「だが神主や上司といった姿はなかった。神社に仕えているのはその巫女だけじゃ。」
そうやな、と突然ゾムが口を出した。皆はゾムに注目した。
zm「俺が見たときも、巫女さん以外、誰の気配もなかったわ。あの子一人だけやった。ただ一人で…」
手水所で手を洗っていた、と言おうとしたゾムの口が閉じた。
ぬ「…？」
rb「…ん？」
os「どうしたの、ゾム？」
畳に視線を向けたままのゾムが再び口を開いた。
zm「ずっと…。ずっと、一人…」
急にしおらしくなったゾムの姿に、皆はぽかんと口を開けた。
rb「き、急に何言い出したんや…？なんでお前が元気なくすねん。その巫女さんと何かあったんか？」
ぬ「ゾムよ、お前は勘が鋭い。何か気になることがあればはっきり伝えよ。」
os「ゾムは例の女に会ったんだね？何かあるの？」
三人の言葉を聞いてか聞かずか、少しの間黙っていたゾムがやっと話し始める。
zm「やって、最初は平安時代に見かけられとるんやろ？んで今までずっと年取らずにおるってことは、自分だけが生き続けとるんやろ？その間、あの巫女さんはずっと、一人やったんかなって…。」
ロボロとオスマンが呆気にとられていると、ぬらりひょんが落ち着いた声色で問いかけた。
ぬ「…あの巫女さんは、悪者には見えなかったか？」
zm「全くや…。むしろ…、今にも消えそうやったわ…。」
ゾムの声が切なく揺れた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 405人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
舞茸(プロフ) - お待たせいたしております(-_-;)子供の新学期準備に、謎の喉の違和感と咳に投稿が滞っておりました。お楽しみ頂いている方には、本当にお待たせしてしまい、申し訳なく思います(_ _;)これからどんどん投稿してゆきます！！読んでいただき本当にありがとうございます！ (2022年4月27日 0時) (
レス) id: b96c8fba01 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 次の投稿楽しみにしています。お体にお気をつけて (2022年3月30日 21時) (レス) @page32 id: 2020323a87 (このIDを非表示/違反報告)
舞茸(プロフ) - 気づくのが遅くなり、申し訳ありません！！わざわざ投稿、ありがとうございます！！育児中のため、更新が遅いです、ご了承下さい。ですが感想頂くだけで、とても励みになります！投稿、頑張ります！ (2022年2月18日 1時) (レス) @page32 id: b96c8fba01 (このIDを非表示/違反報告)
鴉 - ゾムさん、かっこええ...。 (2022年1月20日 12時) (レス) @page23 id: 9e2a714ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ロクロ - 面白い！見つけられてよかった！ (2021年12月22日 18時) (レス) id: 9754f34744 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：舞茸 | 作成日時：2021年11月7日 22時
