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各々が自分に割り当てられた部屋に入り、着替えや用事などを済ますと、オスマンに案内してもらい、食事会場へと向かう。そこは他の客のいない、貸し切り状態の広間であった。
os「大事な話を誰かに聞かれるわけにはいかないからね〜。」
ぬらりひょんを上座に誘い、オスマンが入口近くの席に座る。ゾムとロボロは用意された空席に座った。
ぬ「おお〜食前酒に金箔とは、豪盛じゃな。」
os「ぬらりひょん様のために、ちょっと奮発してもらいましたから。」
ありがたい、と言いながら、ぬらりひょんは食前酒のグラスを持った。それに応じて、三人もグラスを持った。
ぬ「…八岐大蛇は大物じゃ。気づいたかもしれんが、最初はお主らを試しておった。八岐大蛇を相手にできる器がそなたらにあるのかどうか…。じゃが、それは無駄なことじゃった。そなたらとこうして出会えたこと、心から嬉しく思う。」
乾杯の音頭を取るぬらりひょんの姿から、グルッペンとはまた違う威厳を、ロボロは感じていた。例えるなら、グルッペンは高く荒々しく構える尖った山のようだが、ぬらりひょんは深く、そしてどこまでも広く包み込まれる深海ような、そんな威厳だ。
ぬ「永らく、八岐大蛇には手が届かなかったが、どのような結果になろうとも、悔いなく生きることを誓う。これから、そなたらには世話になる。この老いぼれをよろしく頼むぞ。」
グラスを高く掲げると、ぬらりひょんはゾムとロボロから新幹線にて教えてもらった言葉を口にした。
ぬ「それでは………曼荼羅〜〜!!」
三人「まんだら〜〜〜!!!」
四人は満面の笑みで乾杯すると、手のグラスの食前酒を飲み干した。まろやかな甘みが、皆の口の中に広がった。そして前菜に箸をすすめる。
zm「…うめぇ〜!」
rb「金箔て食べれるん?」
os「食べれるよ。食用の金箔だよ。」
ぬ「ん〜…うまい!」
各々が箸を進める中、ぬらりひょんがゾムとロボロを交互に見た。
ぬ「ところで八岐大蛇は最初、スサノオに封印されたのじゃが、その時どうやって封印したか、知っておるか?」
ロボロは質問されるとは思わず、口にしていた前菜の野菜を慌てて飲み込むと、首を傾げた。
rb「どうやって…?呪文とかですか?」
ふふ、と答えを知っているオスマンが笑った。旅館の仲居が上座のぬらりひょんの元へ膝をつくと、持っていた茶色の瓶から空いていたグラスに液体を注いだ。
ぬ「これを使ったんじゃ。」
それは透き通った、お酒であった。
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舞茸(プロフ) - お待たせいたしております(-_-;)子供の新学期準備に、謎の喉の違和感と咳に投稿が滞っておりました。お楽しみ頂いている方には、本当にお待たせしてしまい、申し訳なく思います(_ _;)これからどんどん投稿してゆきます!!読んでいただき本当にありがとうございます! (2022年4月27日 0時) (レス) id: b96c8fba01 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 次の投稿楽しみにしています。お体にお気をつけて (2022年3月30日 21時) (レス) @page32 id: 2020323a87 (このIDを非表示/違反報告)
舞茸(プロフ) - 気づくのが遅くなり、申し訳ありません!!わざわざ投稿、ありがとうございます!!育児中のため、更新が遅いです、ご了承下さい。ですが感想頂くだけで、とても励みになります!投稿、頑張ります! (2022年2月18日 1時) (レス) @page32 id: b96c8fba01 (このIDを非表示/違反報告)
鴉 - ゾムさん、かっこええ...。 (2022年1月20日 12時) (レス) @page23 id: 9e2a714ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ロクロ - 面白い!見つけられてよかった! (2021年12月22日 18時) (レス) id: 9754f34744 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞茸 | 作成日時:2021年11月7日 22時