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ぬ「この階段はな、2500段くらい、確かあったはずじゃ。」
そんなに!?とゾムが驚いた。長いな…とロボロは疲れた表情を見せる。階段の両脇は高くのびた木々が生い茂っており、他の景色を見渡すことは出来ない。
ぬ「まあ、お前さん達なら、木々を飛び移る方が早いかもしれんな。」
前方から、老夫婦が石の階段を降りてきた。ぬらりひょんが会釈すると、老夫婦もにこやかに会釈を返し、通り過ぎていった。
しばらく黙って階段を上っていたゾムが、口を開いた。
zm「…駐車場に、2台、車、あったよな?」
rb「………。そうやな、2台あったな。」
何かを察したらしく、ロボロはゾムを睨んだ。
ぬらりひょんは年齢に構わず、涼しい顔で歩を進めている。
zm「一台には人が乗っとってん。もう一台は、空車やってん。」
ぬ「ふむ?」
ぬらりひょんはゾムが何が言いたいのか分からず、階段を上りながらも、眉を歪めた。一方、ロボロは今にも怒り出しそうな気配である。
zm「多分、もう参拝終わって帰るから、一台には人が乗っとった。んでもう一台の空車はさっきの老夫婦の車のはずや。」
急にゾムの推理が始まった。端末を見て時間を確認する。今はpm4:52である。
zm「やから、もう参拝する人間はこの神社におらんはずやねん。」
ぬ「ほほう、つまり?」
ゾムはキラキラとした目で、ぬらりひょんとロボロを見た。
zm「階段疲れるから、飛んでもええ?」
やはりか、とロボロは項垂れた。つまり人間が誰もいないから、人の目を気にせずゾムの得意の天狗の翼を使いたいのだ。
rb「言うと思ったわ!でもあかんで、何があるかわからんし、まずトントンに叱られる!」
ええ〜、とゾムが駄々をこねる子供のように落胆した。
zm「だって…ずっと階段、だるいやん…」
rb「何言うとんねん!ここは町中なんやで、どこで誰に見られるか分からんのやで?それに体を鍛えるええ機会や!筋トレになるやん!」
ロボロの説得に、ゾムは半分諦め、ため息をついた。階段を上り続ける三人だったが、それまで二人を見ていたぬらりひょんが口を開いた。
ぬ「大丈夫じゃろう、誰もおらん。妖怪なのに飛ぶなというのも、おかしな話じゃ。むしろ上からこの敷地の様子を見てくれんか?」
ゾムの顔がパァッと明るくなった。
zm「ええの!?やったら、ぱぱっと様子を見てくるわ!」
ゾムの背中に大きな翼が出現したかと思うと、ゾムは瞬く間に木々の中へと飛んだ。
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舞茸(プロフ) - お待たせいたしております(-_-;)子供の新学期準備に、謎の喉の違和感と咳に投稿が滞っておりました。お楽しみ頂いている方には、本当にお待たせしてしまい、申し訳なく思います(_ _;)これからどんどん投稿してゆきます!!読んでいただき本当にありがとうございます! (2022年4月27日 0時) (レス) id: b96c8fba01 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 次の投稿楽しみにしています。お体にお気をつけて (2022年3月30日 21時) (レス) @page32 id: 2020323a87 (このIDを非表示/違反報告)
舞茸(プロフ) - 気づくのが遅くなり、申し訳ありません!!わざわざ投稿、ありがとうございます!!育児中のため、更新が遅いです、ご了承下さい。ですが感想頂くだけで、とても励みになります!投稿、頑張ります! (2022年2月18日 1時) (レス) @page32 id: b96c8fba01 (このIDを非表示/違反報告)
鴉 - ゾムさん、かっこええ...。 (2022年1月20日 12時) (レス) @page23 id: 9e2a714ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ロクロ - 面白い!見つけられてよかった! (2021年12月22日 18時) (レス) id: 9754f34744 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞茸 | 作成日時:2021年11月7日 22時