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ぬ「さあ、神社はこの先じゃ。」
後部座席に座るぬらりひょんが、低く渋い声で言った。隣に座るゾムは思わず、窓の外を見るのを止めて、ぬらりひょんを振り返った。何とも形容しがたい、怒っているのか泣きそうなのか解らない表情が、そこにはあった。
タクシーの助手席に座るロボロが、端末を操作していた。端末の画面がちらりとゾムの目に映った。どうやら誰かと連絡を取っているらしい。
少ししてから、砂利のひらけた場所に出た。ぽつり、ぽつりと車が停まっている。どうやら神社の駐車場らしかった。その先には大きな石でできた鳥居と、その先に続く石の階段が目に入った。タクシーが鳥居の近くで停車した。
ぬ「ありがとうな、狸よ。」
タ「ぬらりひょん様ならいつでも歓迎でございますよ〜!長旅ご苦労様でした。ご用事が終わり次第、迎えに参りますから!」
タクシーの運転手がバックミラー越しに、にこやかにぬらりひょんに応えている。見かけは人間の中年の男性である。
rb「たぬき…?たぬきって言いました…?」
タ「はい!私めは木ノ葉タクシーを経営しております、妖怪の狸族の吉野でございます〜!」
ロボロが財布を取り出しながら、ええっ!と驚いた。
ぬ「なんじゃ、気づいておらんかったのか?」
rb「全然、意識しとらんかったです…。」
いくらですか、とロボロが聞くと、狸族の吉野は結構ですよ、と笑っていた。
タ「ぬらりひょん様を乗せることなんて、滅多にありませんから!料金は頂かないです!」
ぬ「すまんな。今度、美味い名酒でも送ろう。」
ありがたき幸せ!と吉野が喜ぶ中、タクシーの開いたドアから三人はタクシーを降りた。
zm「ロボロ、気づいてなかったんやな。」
鳥居をくぐりながら、ゾムは馬鹿にするように笑った。
rb「な、なんやねん、ゾムは気づいとったんか…?」
zm「当たり前やんw 人じゃないなって、乗った瞬間分かったわ。てか、人間やったら、自分の翼が早いとかいう話せんやろ?」
ゾムの話を聞きながら、ぬらりひょんが笑った。
そりゃそうやな…とロボロが石の階段をのぼりながら、自分の鈍感さに落ち込んでいた。
zm「てか、爺さん。この階段、先が見えんのやけど…」
三人が上っている石の階段は、見上げると真っ直ぐ続いておらず、カーブしていて、どのくらいの高さなのか、何段あるのかが把握できなかった。
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舞茸(プロフ) - お待たせいたしております(-_-;)子供の新学期準備に、謎の喉の違和感と咳に投稿が滞っておりました。お楽しみ頂いている方には、本当にお待たせしてしまい、申し訳なく思います(_ _;)これからどんどん投稿してゆきます!!読んでいただき本当にありがとうございます! (2022年4月27日 0時) (レス) id: b96c8fba01 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 次の投稿楽しみにしています。お体にお気をつけて (2022年3月30日 21時) (レス) @page32 id: 2020323a87 (このIDを非表示/違反報告)
舞茸(プロフ) - 気づくのが遅くなり、申し訳ありません!!わざわざ投稿、ありがとうございます!!育児中のため、更新が遅いです、ご了承下さい。ですが感想頂くだけで、とても励みになります!投稿、頑張ります! (2022年2月18日 1時) (レス) @page32 id: b96c8fba01 (このIDを非表示/違反報告)
鴉 - ゾムさん、かっこええ...。 (2022年1月20日 12時) (レス) @page23 id: 9e2a714ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ロクロ - 面白い!見つけられてよかった! (2021年12月22日 18時) (レス) id: 9754f34744 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞茸 | 作成日時:2021年11月7日 22時