彼氏 ページ38
〜A視点〜
咲 「…。」
A「…咲ちゃん…。
頑張ったね。」
咲 「…A…。」
柚 「咲ちゃんめっちゃ速かったよ！」
結局優勝は青組となってしまった。
でも、みんなで頑張ったんだし、私は別にいいと思う。
そして咲ちゃんはリレーのことで責任を感じている。
咲ちゃんは走り終える瞬間、バトンを落としてしまったのだ。
A「…そういうこともあるよ。
大丈夫。頑張ってたんだから、あれをどうやったってどうにもならなかったよ。」
「咲！」
遠くから男の人の声が聞こえた。
私達と同い年くらい。
その人はこちらに来て、黙って咲ちゃんを抱きしめる。
柚 「…Aちゃんはさっきいなかったね。
この人、咲ちゃんの彼氏さん。」
彼氏さん…。
すごいな。
咲ちゃんが笑ってる。
私や柚ちゃんの前ではあんなに泣いてたのに。
彼氏さんって…凄いなぁ。
あの二人みたいだ。
私が泣いていたら、抱きしめてくれる人。
必ず助けに来てくれる人。
涙を拭って、笑顔にしてくれる人。
私は、どっちが好きなんだろう…。
どっちと一緒になったって、幸せだと思う。
まだ時間はある。
ちゃんと決めよう。
もう少しだけ、待ってて。
凛月。真緒。
柚 「結局咲ちゃん、彼氏さんに取られちゃったね〜。
私も彼氏来ないかなぁ〜。」
A「柚ちゃんの彼氏さん来たら、私一人になっちゃうじゃん。」
柚 「Aちゃんは本当にお馬鹿さんなんだから。
あそこにいるよ？
彼氏になりかけの黒髪イケメンが。」
A「…え！？」
校門のそばに彼は立っていた。
私に気がつくと、ニコっと微笑みかけてくれた。
さっきの凛月が嘘みたいだ…。
A「じゃあね柚ちゃん！
彼氏さん来るといいね！」
柚 「じゃあね〜！」
私は駆け足で凛月の元へ行く。
凛月「Aお疲れ〜♪」
A「凛月もお疲れ様。
大活躍だったんだよね、頑張ったね。」
凛月「ふふふ。もっと褒めて〜♪
俺は褒めたら延びる子〜♪
Aから褒められたらもっと延びる子〜♪」
甘えん坊だ…。
安定の可愛さ…。
これは、今夜はよく眠れるね。
凛月「そういえば友達は〜？」
A「ああ、彼氏さんと帰ったよ。」
凛月「へぇ、
Aも早く作らないとねぇ♪
俺しか許可しないけど♪」
A「焦るからやめて！？」
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照山紅葉 - 名無しさんさん» コメントありがとうございます。夜分遅くにすみません！初めてここまで高評価いただいて、驚いています。今後ともよろしくお願いします！ (2022年3月29日 1時) (
レス) id: 1f5ed919d9 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - 続編ありがとうございます！この作品大好きなので最後まで応援させていただきます！ (2022年3月29日 0時) (レス) @page50 id: 62c0e911ba (このIDを非表示/違反報告)
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