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寝たふりしてたら本当に寝ちゃってたみたいで、支度を終えたらしいたまちゃんにデコピンで起された。
「いたっ…終わったの?」
「終わったよん、見て!」
ジャーーーンって自信満々どや顔で腕を広げているたまちゃんの後ろを見渡すと、
壁に掛けられた折り紙のリングや風船と根院おめでとうのカラフルな文字たち。
「退院おめでとう…?」
「Aの退院おめでとうパーティ〜階段でコケて骨折物語〜を開催しまーす!」
「サブタイトル消してくれたら、100点満点なんだけどな…」
「却下」
ムカつくサブタイトルだけど、事実なのが悔しい。
どう?どう?って感想を求められたから、退の文字が根になってるよ?なんて間違いを指摘したら、「…知ってたし、わざとだし!」って。
想像通りの反応してくれるから、おもしろくてちょっと意地悪しちゃう。
またぷくーって膨れちゃったたまちゃんに、
「わたしがメインのパーティして貰ったの初めてだから嬉しい。可愛い飾り付けまでありがとう」
って本当の気持ちを伝えてあげたら、Aの初めて頂きーって嬉しそうに目をキラキラさせてた。
飾り付けだけのパーティだと思っていたけど、
「これは鼻毛伸び太郎」
「違うよ、パイナポー・フジヤマだって」
「ああぁ、クッソ負けた」
用意してくれていた変なキャラクターに名前をつけて遊ぶ、意味不明なカードゲームをして盛り上がった。
その後はギプスしてるから出来ないって言ってるのに、某兄弟のカーレースをするって聞かないから一緒にやった。
案の定右手が固定されていて上手に出来ずぼろ負けで悔しかったから、レース中たまちゃんに青甲羅狙い撃ちするシューティングゲームに勝手にシフトチェンジして楽しんでた。
そしてパーティも終盤、たまちゃん曰くパーティの締めはケーキらしく用意してくれたショートケーキをもぐもぐ。
「楽しかった?」
「たまちゃんのおかげで楽しかったー、ありがと!」
パーティだけじゃなくって、たった1週間の入院生活だったけどたまちゃんのおかげで退屈しなかったし、寂しくなかったからそういう意味も込めてありがとう。
この気持ちが伝わってるかどうかは分かんないけど、鼻歌を歌いながらご機嫌にケーキをほうばっている彼を見たらなんでもいいやって思える。
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作者名:ビックリトマト x他1人 | 作成日時:2019年3月22日 12時