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「遂にAも明日で退院だね」
「長かったー」
「たったの１週間じゃん」
たまちゃんは意外にもあの日の次の日にまた会いに来てくれた。
しかもそれから毎日来てくれているけど、人が来そうな気配を察するとどこかへ行ってしまう。
だけど、それも明日でおしまい。
「もうたまちゃんには会えなくなるのかな」
「んーどうだろうね？」
「退院しても、また…会いに来てくれる？」
「Aがここでスライディング土下座ってやつ見せてくれたらいいよ」
「…たまちゃん、今までありがとね」
「うそうそうそ！会いに行きます、いや行かせてください！」
何故わたしのことを知っていたのか、どこから来たのか、なんて数えたらキリがないくらい謎に包まれているたまちゃん。
だけど、そんなのどうでもいいくらいにふたりで過ごす時間が楽しかった。
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人の気配がして目が覚めた。
まだ重たい瞼をこじ開けると薄ら見えた何かの作業をしているたまちゃんの背中。
カバンから何かを取り出し懸命に背伸びをし壁に何かを貼り付けて、独り言を漏らしている。
「…たまちゃん？」
「ぎゃっ！」
寝起きの声にならないような声で話しかけると、たまちゃんは小指をぶつけたような声で驚きマンガみたいに飛び上がった。
ジワジワとこちらを振り返ると「みーたーなー」ってギロりと睨みつけてきた。
…タレ目だから全然怖くないなあ。
「もう！なんで起きちゃった？」
「たまちゃんガサゴソうるさいんだもん」
「…もっかい寝てくれない？」
「嫌だよ」
「だめ、3つ数えたら寝て！ぜったい！」
いーち、にーいって数えだしたけどわざと３になっても目を開けたままにしてたら、ぷりぷりしだした。
もっかい3つ数えるからそれで寝てくれないとベッド事窓から落とす、って若干不機嫌なたまちゃんに脅されたから今度はちゃんと寝たふりしてあげた。
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作者名：ビックリトマト x他1人 | 作成日時：2019年3月22日 12時
