１３． ──第一章 出会い編 終 ページ14
「ホントは女嫌いだったりする？」
「嫌いってほどじゃないが、生身の女にはこれっぽっちも興味が湧かないタチなんだ。死んでるか、二次元ならかまわないけど」
「教室でいつもいい子ちゃんな笑顔振りまいてるよな。あれ、めちゃくちゃ無理してるってこと？」
「……めちゃくちゃ無理してる」
グルッペンはそういって、神妙にうなずいた。俺はそれをみて、思わず笑ってしまう。あまりにも神妙な顔だったからだ。そんなまじめな顔で、俺の砕けた言葉を復唱しているグルッペンが、妙におもしろくて、俺はしばらく笑っていた。グルッペンも途中から、つられるようにして笑っていた。
そうだ。こいつはずっと無理をしているのだ。笑いたくないシーンで、笑いたくない相手に、角が立たないようにするためだけに、無理をして笑っている。ボロを出さないように、しんどいことを誰にもさとられないようにするために。だからいろんなものをあきらめざるを得ない。自分の本心を、本性をさらけ出さずに、本当にほしいものを手に入れることはできないからだ。だからこいつはあんな顔をする。
だが、今この瞬間、俺の問いを復唱するかたちでではあるが、こいつは自分の本心を、俺にさらけ出した。自分がしんどいことを認めたのだ。
そういう顔を、ずっとしていればいいのに、と思う。なんにも取り繕わない、ただうれしいから、楽しいから、そんなふうに思ったから出てきたというだけの、そのままの顔を、ずっとしていればいいのにと。
せっかく、きれいなんだから。
「……なあ」
「ん？」
「暇なとき、またつき合ってくれよ。今度は、甘くないメニューがある店にするから」
「……別に、どこだってつき合うよ」
「今度は、お前もちゃんと、楽しめるところにする」
ふ、と。そういって、グルッペンはやわらかに笑った。
──
俺はすっかり照れてしまって、返事のひとつもできず、グルッペンから目をそらして減らないタピオカをまじめに吸い上げた。グルッペンは、そんな俺の隣で、くすくすといつまでも笑っていた。
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エス(プロフ) - ミオさん» いや私も書きながら「かわいいな……」と思ってました……（真顔）。ありがとうございます！続編もよかったらよろしくお願いいたします！ (2019年10月21日 22時) (
レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 豆鳩さん» ありがとうございます＞＜ｗｗｗ高校生らしいお話書けていたらいいな！と思うので天使といっていただけてうれしいです！高校生って天使のようなかわいさ！ (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - ロアさん» ありがとうございます！ｗｗｗしかと受け止めました！！ (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 浅葱さん» わーありがとうございます！！grだけでなく主人公までかわいがっていただけてありがたい限りです……！続編に移行しましたので、よかったらそちらもよろしくお願いします！ (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
ミオ - グル氏可愛いなぁ..!続き待ってます！ (2019年10月21日 21時) (レス) id: 4083773df2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エス | 作成日時：2019年10月20日 2時
