弐・妖月探偵事務所【名前変換オリジナル】 (ページ4)

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２１話【おかしなお泊まり会】ページ4

先輩の説得で私もおくもさんも反論するすべ
が無くなってしまった。ここまで来てしまう
と結局は私の家に泊まることになるだろう。
そうとなれば、色々と考えて、両親に不審に
思われないようにしなければ。

まず妖怪は食事を取るのかどうかが疑問で、
もし必用ならどうにかして自分の部屋へ食事
を持って行かなければならない。本人の許可
が出れば申し訳ないけれどコンビニで買うと
いう選択しもある。極力さけたいけれど。

「おくもさんが構わないなら、
うちに泊まってもらうので大丈夫です」

「そんな、A様こそよろしいのですか………？」

「私は全然構いませんよ。少し親が心配だっただけなので。
ただ少し窮屈な思いをしてしまうかもしれないんですけど…」

「私は泊めて頂けるだけで十分満足です。
本当にありがとうございます」

ぺこり、と頭を下げるところは小さな人形が
動いたような光景で、とてもかわいらしく思
えた。そんなところを見ていると、昔母に読
んでもらった童話を思い出す。とても小さな
女の子のお話で、おくもさんはその女の子に
見える。

「それじゃあ………持ち主の人が見つかるまで。
よろしく、糸印さん」

「はいっ、頑張ります！」

＊＊

と、言ったものの。なにをどうすればいいか
分からないのでちょこちょこおくもさんに聞
きながら必要なものを準備していく。

聞くたびに申し訳なさそうにされてしまって
こちらも申し訳なくなってくる。

幸い帰ってきたときには母も父も居らず、お
くもさんには私の部屋で待ってもらい予め聞
いておいたリクエストにできるだけ答えられ
るように、けれど私の作りそうなものを完成
させた。

テーブルの上に勉強をするので部屋に籠る。
という嘘を書いたメモ紙を置いて、笑顔で応
援してくれるであろう両親へ嘘をついたこと
に少し心が痛むが、急いで部屋に戻った。

作った料理を食べたおくもさんは母と同じよ
うな笑顔でおいしいと言ってくれたので取り
敢えず安心し、寝るのはどうするのかと訪ね
るとティッシュで簡易の布団を作ってくれれ
ばいい、なんて言い出すものなのでそれだけ
はダメだと私が反対した。

色々と意見を出し合い、決めたのは奇跡的に
残っていた私が子供の頃に使っていた人形の
ベッドを使うというものだった。

おくもさんのお願いでベッドを少し改良、布
団にして一件落着。あとはもう寝るだけとい
うところまで来たけれど、少しだけ勉強して
から寝ることにした。