弐・妖月探偵事務所【名前変換オリジナル】 (ページ13)

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３０話【もう一人の助け船 Ⅱ 】ページ13

ぎゅうぎゅうと締め付けられる首はだんだん
苦しくなってきている。そろそろヤバイと思
ったとき、ひなさんが下ではなく上へ離れて
いった。

「はいはい一旦離れようねぇ」

「なっ、なにすんのきーちゃん！」

「いっちゃん死んじゃうから。窒息して」

「そ、それは………！」

どうやらゆたゆきさんが離してくれていたら
しく、ひなさんは首根っこを捕まれて足が地
面から離れている。深呼吸をしてからちゃん
とひなさんを見ると、頬を膨らませてむすっ
としながらゆたゆきさんに首根っこを捕まれ
ているままだった。

「あ、そうそう！始めましてだよね？！よろしくねー！！
ひなって言います！！」

「よ、よろしくおねがいします………っ
えっと…女の人……ですよね……？」

なんだかよく見ると少年っぽく見えてきて心
配になってきたので恐る恐る聞いてみると、
にっこりとした笑顔でそーだよ！と返してく
れたので安心した。

「騙されるな小娘。ひなは男だ」

「………ん？！」

「あーっ！なんで言っちゃうのよーちゃん！
てかゆっちゃん離してーっ！！」

「お前までその呼び方で呼ぶな！！」

「はぁー……糸印さん、この子がひな。
治療係をしていて、はなよいが言ったように男の子だよ。
因みに生前は蛍だったらしい。」

「そー！お尻が光系のほたる！」

無事ゆたゆきさんに離して貰えたらしくちゃ
んと足が地面についていた。それにしてもま
さか男の子だったとは。女の子だと言ったの
はそう言われるのが好きなのか、ただの悪戯
なのか。どちらちせよ驚くことに変わりはない。

しかし若干の少年っぽさがあるものの九割方
少女の姿なので、これを一発で男の子だと当
てれる人はそうそう居ないだろう。はなよい
さんやゆたゆきさんと一緒に話していても、
女の子だと言われて全くの違和感もないのだから。