第二十二話 ページ25
雪奈side
さっきから見ていたが、絢華が私のために秦さんにまで噛みつくのは、少しだが嬉しかった
でも、やはり秦さんも千岳さんも本当の姓を教えてはくれなかった
それは、やはり私が信用されていないということだろうか
雪奈(そうであるならば、信をおいてもらえるような立ち振る舞いをしなければ・・)
そんな誓いを心に立てている時だった
千歳「・・・なあ、月島爺。こいつ、爺さんたちから色々と教わってるんだろ?何で、こうも世間知らずっつうか・・・知識とか礼儀とかが、ズレてるんだ?」
月島爺「・・・体術や刀の扱い方、銀狼を使役する方法や読み書きについては教えたつもりなのだがのう。知識や礼儀については、三人がばらばらに教えたので、いろいろズレてしまったようだ。特に女子としての立ち振る舞い方については充分に教えてやることができぬでな」
月爺は困ったような顔を浮かべた
千歳「だろうな・・。さっき会ってから今まで、女らしいところなんて欠片も見てねえもんな」
月島爺「もう少し早く絢華がこの里に来ていれば、少しは違かったと思うわい」
月爺と千歳はまだ秦さんといがみ合っている絢華を横目で見る
確かに、絢華は私より女子らしいところはある
それなのに目の前でこうまで言われると、何か悔しい気持ちがこみあがってくる
だが、この人は十鬼衆の仲間で先輩で、私は一番の軽輩だ
できるだけ言葉を選び、穏便に対応することに決めた
雪奈「あの、ですから私は女であるよりも、十鬼衆の一員であり、一族の頭領としてーー」
千歳「もうそれはさっきから、耳がタコになって踊りながら海に帰っちまうぐらい聞いたって!」
ふと、それまで絢華と睨み合っていた秦さんが、思い出したように言った
秦「そういえば、千岳の【漂泊】という言葉の意味をあなたは知っていますか?」
雪奈「漂泊?」
私は秦さんに聞き返すが
秦「やはり知らないようですね。十鬼衆の一人ともあろう者がこれでは・・」
【漂泊】という言葉には、全く覚えがなかった。ここは大人しく秦さんに聞こうとしたときーー
千岳「まあ、そういうな。普通は知らない言い方だ。住処を持たない道々の者、っていう意味だ。俺の一族は里を持たずに、日の本のあちこちに転々としているからな」
A「道々っていうのはいろんな人の集まりということです。例えば芸者や鍛冶、私みたいな絵師など、いろんな道に熟練した人達ってことなんですよ」
千岳さんと絢華は分かりやすく説明してくれた
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倉野柚稀(プロフ) - アリスさん» うん(*^^*) (2014年3月6日 0時) (レス) id: 212cb77ac7 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 倉野柚稀さん» 了解♪柚稀でいいのかな? (2014年3月6日 0時) (携帯から) (レス) id: 6e1daa70be (このIDを非表示/違反報告)
倉野柚稀(プロフ) - アリスさん» うちのことは下の名前で呼んでもいいから(*`∀´*) (2014年3月6日 0時) (レス) id: 212cb77ac7 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 倉野柚稀さん» うん!よろしく〜 (2014年3月6日 0時) (携帯から) (レス) id: 6e1daa70be (このIDを非表示/違反報告)
倉野柚稀(プロフ) - アリスさん» 了解した!じゃ、お言葉に甘えてタメで話すね(*´∀`*) (2014年3月6日 0時) (レス) id: 212cb77ac7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:倉野柚稀 | 作成日時:2014年2月26日 1時