君の声【２】

55話 ページ7

学校に話すのも早い方がいいだろうという事で、月曜日にお父さんから1度連絡することになった

契約内容についてはお父さんに確認してもらう
ピアニストとして音楽業界に携わっているので話がどんどん進んでいく

曲が出来上がるまでもう少しかかるそうなので、それまではこれまで通りボイトレと前みたいに他の人の曲を使って練習する事に決まった

「A、デビューは来年だが今日からお前はプロの歌手になった。甘ったれた気持ちでやってたら、この業界に長くいることはできない。今まで以上に歌に向き合い歌を愛する事。そうすれば必ずトップに立てる」

歌に向き合い、歌を愛する…か
考えさせられる言葉だなぁ
好きと愛の違いってなんなんだろう
恋愛もろくにしたことがないわたしには分からない
けど、わたしなりの歌への愛を見つけなきゃ

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火曜日の放課後、昇降口で両親と社長と落ち合い校長室へ向かう
学校側に納得してもらうように自分の言いたいことはちゃんと言わなきゃ

話し合いは長くなると覚悟してたのに、事情を知った校長先生はあっさり納得してくれた
呆気に取られるわたしたちと同席していた教頭と担任

「生徒が覚悟を決めてやりたいと言っているのに止める権利は私にはありません。ただし、学業優先と言うご両親たちの思いもあるので、成績次第では活動を休んでもらいます」

『わかりました。許可してくださってありがとうございます』

「いつか大きく羽ばたいた姿を見せに来てくれるのを待ってますよ」

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