私の名は[救世主]【転生したらスライムだった件】 (ページ38)

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84話ページ38

グルウェル「ちょ！それ言っちゃっていいんすか！？」

『問題ない。どうせ、もうバレてるだろうしな。

で？洞窟でひっそり暮らしている私達に、いったい何の用ですか？」

どこがひっそり何ですか――と言うような顔でサウラーが見てきたので、軽く睨む。

そこに触れてはいけないのだ。

トライア「はい。本日参りましたのは、皆様もご承知の通り、この森の異変についてで

ございます。」

オークロードのことだね。

もしかして....進路を変えてこっちに向かってるから、警告に来たとか？

....そんなわけないか。

ケンゲ「何故ここへ来た？A様が、あの町に与していることは知っているのだろう？」

ケンゲが問う。

トライア「えぇ。おっしゃる通り、今やこの周辺における最大勢力は、あの町です。

ですが――――」

　

トライアさん曰く。

私は気分屋なので、場合によってはオーク側につくかもしれないと判断したようだ。

失礼な。さすがの私も、そこまで薄情じゃない！

速攻否定すると、ホッと胸をなでおろされた。

私、そんなに日頃の行い悪かっただろうか？

《告。魔物の乱獲は、事情を知らない者から見れば異常でしょう》

あ、あれですか。

確かに、スキルが手に入るからって理由で、見かけた魔物全員殺しまくってた時期あったな。

そんな奴がある日突然トカゲを助けて、名を与えた。

クレアさんにもユニークスキルを獲得していることは伏せてあるし、

見る側にとっては、私は行動の予測が出来ないおかしな奴に見えるだろう。

ハハ、自業自得だな！

『まぁ、確かに私は気分屋だよ？でも、請け負った仕事はちゃんとやるから。

トライアさん達がオークロードを討伐したいなら、討伐するために死力を尽くすし。

その代わり、見返りは要求するけどね...？』

トライア「見返り、とは？」

私の言葉に、怪訝な表情を浮かべるトライアさん。

『え、マジで頼むの？別にいいけど.....

見返りって言ったって、難しいものじゃない。

ただ、オークロードについて、知ってることを教えてほしい。』

トライア「...それだけでいいのですか？」

『情報を制する者が、勝敗を制するんだよ？むしろ、ありがたいくらいだね。』

そう言って肩をすくめると、トライアさんはほんの少し笑って、

トライア「わかりました。お教えします」

そう宣言した。